仮縫の状態で、店内に掛けてあった時から話題になっていた生地です。
コートのデザインに注目して頂きたいのですが、話題は生地に集中しました(笑。

この生地、7年前に1着分だけ仕入れていたのですが、
その時は3年ほど買って頂けなかったので、自分用のジャケットに使ったのです。
ジャケットになった途端、皆さんから「ええなぁ~」と言って頂き、、いつもそんなもんです(笑。

で、それから生地屋さんに探してもらっていました。
そしたら、3年越しで見付かったんです!

全く同じ色はなかったのですが、3色見付けて頂きました。
その中の1色が、このサンドベージュです。とても鮮やかな色合いですね。
この写真では分からないですが、かなり金色に輝いているのです。オールシルクみたいに♪

この生地を見た瞬間、Nさんからコートで仕立てて欲しいとのご依頼。
季節の変わり目に着られるコートなので、軽やかにサッと羽織って頂ける感じにしようと、
セミラグラン仕様で、ご提案させて頂きました。
コートのご紹介の筈が、僕まで生地に注目してしまいました(笑。

◎スプリットラグラン(セミラグラン)
前から見るとセットインスリーブですが、後ろから見るとラグランです。
このデザインは、ラグランの着用感を残したまま、前から見た姿に精悍さが加わります。



今日はスーツのお渡し日です。
カフェラテブラウンに、カフェモカブラウンのストライプです。
コントラストのハッキリしたストライプですが、ストライプの両サイドは、角が取れて柔らかです。

ネクタイで、雰囲気が、ガラリと変わりますねー


結局、両方お買い上げ頂きました♪
Iさん、いつもいつもありがとうございます。
お付き合い頂くようになって、もぉ15年目になりました。




シンプルなダブルチェスターフィールドでのオーダーですが、
生地が、、こんなの初めての出会いです!

オールシルクなのですが、
ダブルフェイスかと思って一枚仕立てで
ご提案させて頂いていたのですが、ダブルフェイスの説明を
させて頂くために「接結糸」を解くと、緯糸(ヨコ糸)だけが残るんです。
それも短冊のように。ん?と思って、何度も繰り返したのですが、何度やっても同じ状況。

今日は、最近では?ちょっとマニアックな話ですが、

経糸(タテ糸)を接結糸として利用しているから、緯糸が残るんですね~という事は、、
これはダブルフェイスではなく、ダブルクロスですね!(笑)

ダブルフェイスとダブルクロスの差は、特に定義はされていないそうですが、
僕の知識の中では「完全な一枚仕立て」が出来る生地をダブルフェイスだと思っています。
今回の生地のように、接結糸を解いても生地が2枚に分かれないタイプは、一枚仕立てには出来ないので、
これはダブルクロスですね。
見た目的には裏表で色が違いますから、これもダブルフェイスではあるのですが(笑。

縫い目を結合させて縫う事は出来ませんが、
裏も見えるように、ちょっと縫い方に工夫をさせて頂きます。
Nさん、完成を楽しみにしていて下さいね!



Kさんのお父様が生前、
最後にオーダーされたというジャケットをお預かりしました。


今回は、芯据え以外ほぼ完全にバラバラにして、
再設計の上、仮縫いをさせて頂きます。


流れ的には、ジャケットをお預かりし、
解いて→型紙設計→仮縫→Kさんに仮縫状態で着てもらって、
→解いて型紙を再設計→本縫 という流れです。


着丈は5センチ短く(前3センチ・後5センチ)しましたが、
これは、ほぼ全て肩線で調整しました。
これによってアームホールもコンパクトになり、袖も細く出来ますし、何より
襟のゴージラインが上に移動するので、現代風になります(笑。
腰ポケットの位置も、ポケットから下も短くならず、
寸詰まりになったりしません(笑。


もともとちょうどだった袖丈が
肩巾も随分と詰め(巾を狭く)ましたので、
短くなりましたが、その分は袖口で出しています。しかし!
裏地が足りなくなりましたのでは新たに張り替えました。実は表地も足らずに、
ある工夫をすることで、足りたように見せています!(笑
反身調整や肩傾斜もKさんに合わせ直しました。


これから生まれ替わるお父様のジャケット。
末永く大切に着て下さい。


これは参考ですが、、

技術者による手縫縫製は日本では平均45時間が目安とされています。
マッセアトゥーラの平均で、60~70時間を目安とし、
イタリアでは、大体40~100時間と聞きます。
*今まで見聞してきた範囲ですが、、

同じ生地でも、縫製時間が完成品の価格差になる理由です。
ブランドの付加価値も考慮の必要性があります。
工場縫製でも縫製時間の差はあります。
これも価格差にとなります。

僕は手縫い崇拝者ではありませんが、
手をかけて縫われた洋服は、
見た目にも違いますし、
型崩れどころか、どんどん馴染みます。
手が掛かってない服は、どんどん型崩れしていって、
見た目にも「馴染みか型崩れか」判ります(判る人には、ですが)
これは、着れば着るほど、差が出てきます。

手を掛ければ掛けるほど、、これを、
料理などに置き換えると分かりやすいでしょうか。

業界の主流は、
高価な生地を大量にまとめ買いしたり、並行で仕入れたりし、
それを簡易縫製し、スーツの「形」に安く作って、
次から次と使い捨て、、ですね(涙。



入荷日に偶然ご来店、
即決だったシルクリネンのジャケット。
Tさんは、いつも生地をお決めになられるまで僅か10秒です!
お好みがハッキリされているので、
無いときは無い、有る時は有る!でいつも即決されます。


出来上がりをイメージされ、
同じ色のスエード&パテントレザーの靴を履いてきて下さいました。
またこれで、お気に入りコレクションが増えましたね。
いつもいつもありがとうございます!!