Sさんの2着目のシャツ、出来るだけ細く!とのご希望で
アームホールを小さくしたせいで、体のクセが顕著にシャツに影響を及ぼし、
脇の下、それも脇の真下ではなく、前身側だけが少し当たるように、、
職人さんと話をしたら、あっさり一言「じゃあ、少し大きくしたらいいですね」と。
いや、そうじゃなくて、、どうしてそう簡単に片付けるのか、
それとも悪気はなくって、それが当たり前なのか、、声にしかけたが止めた。
「アームホールのゆとり量はこの方の場合ですと5cmあれば足りています。
その証拠に前身側は当たっても、後身側、特に上のほうの肩のこの辺りは余ってます、、」
職人さんが「じゃあ、どうしたらいいの?」と言います。
「全体のバランスを考えれば5cmのゆとり量で足りていますので、この寸法を維持したまま
アームホールの形状を変えます。
余った後身側のラインはこうして、そして当たっている前身側はこう削って、、
鎌下で余ってる分は、鎌を浅くして、、、」
そうして修正が加えられたのが、この型紙ですが、画像では判り辛いですね。
出来上がってきたシャツに袖を通して頂いたのですが、問題解決してました。
全体に〝無駄なゆとり〟は見当たらず、胸もパァーンと張って見えます。
キツイ部分だけを見れば〝キツければ広げる〟で正解かもしれませんが、
今回のように、全体を見れば他の部分で余ってる場合があります。
それを見落としてしまうと、単純な解決方法を取ることに。
手間はかかりますが、この手間を惜しむと
良い服は生まれません。
アームホール
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突然ですみません。m(_ _)m
HPを拝見して、一度伺いたいのですが、
手土産は必要ですか?
(みなさん珍しいものを持参されているようなので・・・)
時間は何時間かかりますか?
(ブログを拝見する限り、5時間は必要かなと思いまして・・・)
つまらないことを訊いてすみません。。。。
sawasawaさん
凄くタイムリーなご質問ありがとうございます。
最近、他からも同じようなご質問があったところです(笑)。
もしかして、このブログを読んで下さってる方の中で、他にも
sawasawaさんと同じような思いで、
ご来店を迷われている方がおられるかもしれませんね。
僕も今まで気にせず書き込んでましたが、何度か同じ質問が続くと
気になってきましたので、この場を借りて説明させて頂きます。
お土産に関しては、珍しい物とかだと、
皆さんにも紹介したいな!って思って、ついつい言いたくなって、、
僕って、そんなお節介な性格なんです(苦笑)。
採寸時間に関しても、2時間で終わる方もいらっしゃれば、
生地を決めるだけで2時間かかる方も。
その差は、ご本人による所が大きいと思うのです。
パッと見て決められる方もいらっしゃれば
色々と話を聞いて納得の上で決めたいという方と、、
そんな方には英国の生地とイタリアの生地の違いなんかの
説明をさせて頂いたり、、
僕がお客さんとしてスーツを作っていた頃、
そういった不満を、頻繁に感じてましたから、その頃の僕と
同じ思いをお客様にさせては駄目だ!なんて、
〝痒いところに手が届くテーラー〟ではなく〝痒いところがどこなのか?〟
そこまで気付いてもらえるような、提案型のテーラーであり続けたいです。
手間のかかった採寸の方が、ブログのネタとしては面白いので、
逆に、普通の採寸はネタにしないので、余計に目立つのかもしれませんね(苦笑)。
ほんと、ブラッと寄って、お茶だけ飲んで帰られる方も
沢山いらっしゃるので、お気楽にどうぞ!
お待ちしております♪
横レス失礼いたします。
>手間はかかりますが、この手間を惜しむと
>良い服は生まれません。
おぉっ、言い切りましたねっ!!
貴方は私にとっては、リスペクトする存在で、
pioneerな方ですから、これからもますますの
ご活躍、期待しておりますよっ☆★
666さん、リスペクトだなんて、
恥ずかしくなる事、言わないで下さいよ(苦笑)。
それって、僕にとっては凄っごいプレッシャーというか、
666さんにそんな事を言ってもらうと、逆に、足を向けて寝れないというか、、
でも逆に!
666さんに、そんな事〝言い切って〟もらったんですから、
それに恥じないように、これからも頑張りマッセアトゥーラ!です♪
(ごめんなさい、、こんな事を言ってる時点で既にアウト!ですよね~笑。)