ビスポークへのこだわり

今年は例年よりも早いシーズンインみたいです。

今週は、かなり少ない睡眠時間で仕事してます。

って言うと「よく売れてるんやなぁ~」と言ってもらうのですが、

今のやり方だと、月25着程度が限界です。



それは採寸や採寸後の型紙創作に結構な時間がかかるから、、

それにその方に似合う色やシルエットまで説明させて頂いてますと、

お1人当りの採寸時間が、アッという間に3時間になってしまうからです。

(特に初回の方は、、)







良い服を創るためには着手と作り手の対話(ビスポーク)が大切な時間なんですよね。

採寸データを見て その方を思い浮かべながら線を引いていくんです。

気が乗らなかったら、いい線も出てこないから 絶対焦ったら駄目な時間です。



でも今日のお客様とも話していたのですが、

オーダーって 採寸の時間を掛ける程、お互いの意思も深まるし、

創作時間を費やす程、フィッティングレベルの高い、

完成された服が生まれる
と思うんですよね。



もちろん時間を掛けたからと云って良い物が生まれるという保証はないのですが、

創造的な事ってそんなもんじゃ割り切れない部分があります。



中には「サッサと10分程度でしてくれ」って言われる方もいらっしゃいますが無理です。

というか、最終的にお客様の事を考えると僕がしたくないんですよね。








この仕事に就く前、僕は客として70着ほどのスーツを作ってきました。

洋服の専門学校を出た訳でもなく大学の法学部を出た後、

企業で8年間人事採用担当者として働いてきました。

ですので高校時代からこの仕事に就くまでの自分の失敗や成功と云う

『消費者としての経験』 が今のベース
になっています。



こんな スピードと効率の現代に逆らったような事をしていますので、

何かと皆さまにはご不便をお掛けするかもしれませんが、

何卒ご理解を賜りますよう宜しくお願い致します。