Wさんに6年近く前にオーダーして頂いたジャケットを解いています。
若干ですが体型が変わられた事もあり、首から肩にかけてのフィッティングを調整します。
左右で差がありますので、その辺りもしっかり考慮に入れつつチューンナップ。
これでまた、愛着もひとしお間違いなしですね。Wさん、末永く、、
いつも大切にお手入れしながらガンガン着て頂き、
ほんとうにありがとうございます!




Kさんのお父様が生前、
最後にオーダーされたというジャケットをお預かりしました。


今回は、芯据え以外ほぼ完全にバラバラにして、
再設計の上、仮縫いをさせて頂きます。


流れ的には、ジャケットをお預かりし、
解いて→型紙設計→仮縫→Kさんに仮縫状態で着てもらって、
→解いて型紙を再設計→本縫 という流れです。


着丈は5センチ短く(前3センチ・後5センチ)しましたが、
これは、ほぼ全て肩線で調整しました。
これによってアームホールもコンパクトになり、袖も細く出来ますし、何より
襟のゴージラインが上に移動するので、現代風になります(笑。
腰ポケットの位置も、ポケットから下も短くならず、
寸詰まりになったりしません(笑。


もともとちょうどだった袖丈が
肩巾も随分と詰め(巾を狭く)ましたので、
短くなりましたが、その分は袖口で出しています。しかし!
裏地が足りなくなりましたのでは新たに張り替えました。実は表地も足らずに、
ある工夫をすることで、足りたように見せています!(笑
反身調整や肩傾斜もKさんに合わせ直しました。


これから生まれ替わるお父様のジャケット。
末永く大切に着て下さい。


これは参考ですが、、

技術者による手縫縫製は日本では平均45時間が目安とされています。
マッセアトゥーラの平均で、60~70時間を目安とし、
イタリアでは、大体40~100時間と聞きます。
*今まで見聞してきた範囲ですが、、

同じ生地でも、縫製時間が完成品の価格差になる理由です。
ブランドの付加価値も考慮の必要性があります。
工場縫製でも縫製時間の差はあります。
これも価格差にとなります。

僕は手縫い崇拝者ではありませんが、
手をかけて縫われた洋服は、
見た目にも違いますし、
型崩れどころか、どんどん馴染みます。
手が掛かってない服は、どんどん型崩れしていって、
見た目にも「馴染みか型崩れか」判ります(判る人には、ですが)
これは、着れば着るほど、差が出てきます。

手を掛ければ掛けるほど、、これを、
料理などに置き換えると分かりやすいでしょうか。

業界の主流は、
高価な生地を大量にまとめ買いしたり、並行で仕入れたりし、
それを簡易縫製し、スーツの「形」に安く作って、
次から次と使い捨て、、ですね(涙。



ハービスに移転して以来、お付き合い頂くようになったTさんが、
ご結婚式に着られたという英国仕立のオーダー服を、
優しい感じの雰囲気に変更したいと、
お持ちになられました。

型紙を作り直してから縫い直すので、
取り敢えず、ほぼ全てバラバラに解きます(笑。
着丈を4センチほど短くして、
低いゴージ位置も高く設定し直す事になりました。


着丈を「肩から詰める」事で、腰のポケット位置も変わらず(低くならず)、
少し深めだったカマ底(脇下の位置)も、その分だけ上に移動されますので良い事尽くめ(笑。


肩の傾斜をTさんに合わせます。
この調整を基本として、ここからの調整が腕の見せ所!?


これ、日本でオーダーされた洋服は受け付けません。
故人の場合は別ですが、それは仕立てた技術者に対して失礼ですから。
これは、今までずっと守ってきました。


Tさん、このタキシードで、
N君の結婚式!ではなく、2次会!に出て下さい。
結婚式はモーニングです!是非マッセアトゥーラでお願いします!(笑

さぁ仮縫、着せ付けへのお付き合い、
宜しくお願いします!!


2002年にオーダー頂いた手縫フルオーダーのスーツです。
体を絞られたので、せっかくの手縫スーツなので、リサイズする事になりました。
Tさんは普段スーツを着られる方じゃありませんから痛んでいませんでした。これからも末永くご愛用下さい。


☆ジャケット
肩巾-2.5cm、着丈-3.0cm、袖巾-3.0cm、
バスト-8.0cm、ウエスト-10.0cm、ヒップ(けまわし)-8.0cm

☆パンツ
ウエスト-4.0cm、前股上-2.5cm、後股上-2.0cm、
ワタリ巾-3.0cm、ひざ巾―2.5cm、すそ巾―0.5cm、股下-2.0cm



かねてから進めておりましたTさんのジャケット再生計画ですが、ついに完成しました!

2度の仮縫にお付き合い頂け、完成度も高いです。
目で見て測れる寸法は簡単に直せても、立体的な造形に、センスと技術力が必要とされます。
肩巾4cm、バスト6cm、ウエスト12cm、袖巾も5cm、肩線で着丈を6cm短く、
ゴージラインや胸ポケット位置も3cm上がり、かなり反身補正など、大規模な『造形リメイク』をしました。

自我自賛で恐縮、、せずに言い切ります!(笑
超ややこしい僕の指示に応えてくれる中山技術長の技術力は凄い!!
Tさん、長らく申し訳ありませんでした。20年の時を越えたジャケット、大切に馴染ませて下さい。




以前から連載中?のジャケット再生計画も佳境に入ってきました!
いよいよ、本縫工程です。


もともとのゴージライン、分かりますか?
襟先は同じ位置ですが、ゴージの角度は随分と変わりました。
胸ポケット位置も3.0センチほど、上に移動し、ゴージラインもそれにつれて上へ移動!

Tさんの元々のご要望は、着丈や袖丈を短く、
肩巾を詰めて全体をスリムにして欲しい!という内容でしたが、
お持ちになられたジャケットは、肩の大きさを強調する為ゴージラインを下げて
厚いパッドを入れてある、いわゆるバブル期のビッグショルダージャケットに近いスタイルでしたから、

Tさんのご要望通り、
着丈や袖を短く、肩巾を狭くしてバストやウエストを細くしただけでは、
洋服のイメージを印象付ける「顔周りの印象」は変わらず、
それどころか、チグハグになってしまいます。

そんな説明をさせて頂き、
今回のような『仕立て直し』の提案をさせて頂きました。
着丈を短くすることができる状態でしたから、このようなご提案をさせて頂けたのですが、
既製服など着丈がジャストのお洋服で、全体的にスリムにするだけでしたら、
肩で着丈を詰められませんから、ゴージ位置を高くできませんし、
胸ポケットの位置も変えることは出来ませんでした。
今回は、全て良い方向に向いた事例です。


肩パッドも、Tさんの肩傾斜に合わせて左右毎に作り直してあります。
肩傾斜の設計を引き直す時に肩線を解くので、着丈を短くするのも同時に肩線で処理しました。
肩線で着丈を短くすると上襟も7センチ短くなり、ゴージがどれだけ上に移動したか分かって頂けると思います。
肩線を解いた、この流れで、
反身補正も同時に処理してしまいます。
前身頃の肩線で4センチ、後身肩線で7センチ短くし、
上襟や袖のなど各部の線を調整し、両脇の縫線で縫い合わせます。
結果、着丈は7センチ短くなっているのですが、反身補正のため前身は4センチだけです。
このように、全てを肩線(肩周り)で処理したので、
大きなアームホールも小さく浅くなって、丁度よい感じに今風です♪


フラワーホールを見て頂ければ、もとのゴージラインの角度や、
ゴージラインの低さを、容易にイメージして頂けると思います。全くの別物でしょ!
上胸巾もコンパクトになってスッキリ!
これ実は、、トムフォード風?に襟巾を1センチ広くしたので、
より一層コンパクトに見えるようになったんです!




レディースジャケットの着心地チューンナップです!
既製服をご購入されたのですが、腕が上がらないので着てないとか、、

でもさわると、デザイナーの意図が変わってしまう(造形が変わる)ので、その辺りを伝えつつ、、
せっかくバラバラにするんですから、合ってない袖の長さも調整させて頂きつつ、
もちろん、肩巾ばかりか肩の傾斜、脇下のつっかえや前後バランス、
全体的に調整をさせて頂いてバランスを考えますね!


でもデザイナーが意図する造形を汲み取り、出来るだけ壊さないように。
で、最後はご本人に仮縫でご確認頂き、、これは着用感というより、造形的な確認の為の仮縫です。
その場で、もういちど解いて調整させて頂き直ぐに再確認。
見た目も着用感も合格を頂きました。




以前ご紹介させて頂いたジャケット再生計画ですが、
仮縫のあと、解いて再調整しております。


長らく申し訳ありません。
シーズンオフになってしまいますね(汗。
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もう10年以上、お付き合い頂いてるYさんですが、
ジャケットのご相談を頂いている時、ジャケットの思い出話に、、

Yさんがアメリカに留学されていた時(25年近く前)に購入されたアメリカ製のブルックスブラザース。
1着オーダーするくらい費用はかかりますが、思い出はお金で買えるものでもないし、、
直そうと云う事になって昨年の秋に預かり、ようやくここまできました。
バラバラ状態の写真がないのですが、線を引き変えて、
仕立直すのですが、白紙からではないので
引く線には、限界があります。

肩巾6cm、バスト7cm、ウエスト13cm詰めと、ここまでは普通?の修正値ですが、
バストダーツと脇ダーツの分量を全体で3センチ絞って、極め付けは
3センチ強ゴージラインを上に移動し、角度も変えています。
着丈は裾で短くせずに3cm短くしてあります。
その為、上襟は芯から作り替えました。


Yさんが反身体という事やその他の理由もあって、タイトにすると体の癖が出やすくなるので、
結果として脇の縫線で、上下に2センチ、前身と後身をずらしています。
裏地も全部解いていますので、元に戻さなくてはなりません。
最初の縫目が残るのは、前端とポケット口くらい。


所々に躾け糸が残っていますね。背中心も詰めてるのでベントも作り直しました。
テクニック的な事より、仕上がり良ければ全て良し!です。
仕上がりのためのテクニックですから、、
さぁラストスパートです!!


ちなみに25年前と言うのは、僕の個人輸入ライフ?でもっとも輸入量が多かった頃(19歳)です。
この頃は勉強もせず、日々、通関士なみに輸入業務をこなしてました(笑。



お義父さんが大切に残されていたシングル巾のハリスツイード。
お義父さんが亡くなられた後、その生地を使ってお義母様がオーダーして下さったそうです。

見せて頂くと、仮縫付の職人縫いです。
ただ、当時のTさんにとって、シルエットがお好みではなく、
1度しか袖を通されてないそうです。着てない事を気にされながら20年が経ち、
マッセアトゥーラにご相談頂き、仕立直しさせて頂くことになりました。

バラバラの状態まで解きましたが、解くのが大変で最初から仕立てた方が楽ですが、
このお洋服にとってそういう問題ではなく、みなさんのかけがえのない思いを再生させる事が目的です。


出来上がって、着て貰えないと意味がないので、仮縫でご確認頂くことになりました。
フルオーダーですから袖はジャストで合わされ、肩巾を詰めると袖が短くなり、出せる分量も限られ悩まされます。
ここまで絞ると、袖をもっと細くしないと全体の雰囲気に合いませんね。
でも細くし過ぎると見た目良くても腕が上がらなくなったり、、


仮縫で更にモダンな感じに調整を繰り返しましたので、きっと気に入って頂けると思います。