16世紀の末頃に創業された英国の名門ミル(機屋)、
アーサーハリソンの生地を使ったジャケット。
クラシックな表情でりながら、少し明るめの落ち着いた青。
そして何より、着れば着るほどに馴染むことを容易にイメージさせてくれます。


こんな生地は、やはり着れば着るほどに馴染む手法で縫い上げたくなります。
お湯につけて糊抜きした芯を
着る人の体に合わせて、生地に合わせて
ジャケットの骨格となる毛芯を手作りしてゆきます。


ラペルの、美しく優雅なロール具合♪




2017年11月11日:By YANASE,Hirokatsu (Masse Attura)


ローマに工房を構える『Perticone』の代表である吉本さんは
大学を卒業し、一旦専門商社に就職されますが、
靴作りの想いを断ち切れず、
2005年、イタリアに渡られました。
以降、数々のオーダー靴の専門店で研鑽を積まれます。

イタリアにおいては、
自由で斬新なデザイン性、豊富な革使い、軽快な靴作りを学ばれ、
イギリスにおいては、
愚直なまでに昔ながらの変わらぬ製法、堅牢な靴作りを学ばれました。

靴作りの方向性が全く異なる2ヶ国で、
長年にわたる研鑽を重ねられた結果だと思うのですが、
だからこそ、吉本さんが作る靴には、それらの感性が共存されていると思うのです。

現在はフリーランスの靴職人として、
イギリスの有名ビスポーク店の仕事依頼を受けつつ、
ご自身のオーダー靴ラインをスタートされる事になりました。

またこのたび、吉本さんに依頼するに至った経緯を簡単にお伝えします。
今まで僕自身の靴をお願いしてきた流れがあります。

マッセアトゥーラの物作りの基本理念とも通じ、
ただ着る人(履く人)の体(足)に合わせるのではなく、
どう見せれば綺麗かについて話し合い、具現化して下さいます。

その理由は
吉本さんの依頼主の気持ち寄り添う姿勢と
吉本さんの靴職人としての経歴に由来するものだと思います。

例えば、僕のズングリムックリした足を、
足に合わせながらも、スマートに「造形」するという具合です。

お客様によって、
逆に丸くさせたい方もいらっしゃると思います。
そこは、
着ていらっしゃるお洋服の雰囲気や、
その方のご体型、TPOなどを考慮した上で、
吉本さんが培ってこられた造形美の世界観を通じて「造形」して下さいます。
当日はコレクションを直接ご覧いただけるよう準備させて頂きます。
皆さまとお会いできる事、楽しみにしています。


吉本晴一氏経歴

これまでにフリーランスのアウトワーカーとして
イタリアの数々のオーダー店より製作依頼を請け負われてきました。
・Salvatore Politano(Roma)
・Petrocchi (Roma) http://www.calzoleriapetrocchi.it/
・Mercurio(Roma) http://www.stivaleriamercurio.it/
・Marini (Roma) http://marinicalzature.it/
・Mannina(Firenze) http://www.manninafirenze.com/

そして現在、イギリスの有名ビスポーク紳士靴店の製作に携わる傍ら、
自身のBespoke line
・Perticone – Seiichi Yoshimoto をスタートさせられました。

BLOG http://shoemaking-in-italy.blogspot.it/
Instagram https://www.instagram.com/perticone_official/




可愛いですね~♪


ベストとパンツでのオーダーです!
ベスト好きのNさんらしいオーダーだなって思います。
デニムのシャツも綺麗にはまっています!!


ベストの背裏は
表地の風合と近すぎず遠すぎず、
アルパカ裏地をお湯で洗って更に柔らかな表情にしました
この辺りも、いつもながらNさんらしいセレクトです。ありがとうございます!




シャツをオーダー頂いていたKさんの初スーツです!
それも、ダブルでの初オーダーです。

もともとKさんは
スーツがお似合いになる厚い胸板で、
さらにお体を鍛えられていらっしゃいますので、それを
すっぽりと包み込む胸周りの造形をイメージしてフィッティングさせて頂きました。

良い感じで仕上がって、ホッとしました。
綺麗に納まっています。鍛えられたバストだけでなく
何せKさんの実寸は『ドロップ10』で、いきなりのダブルでしたから(苦笑。


絞り過ぎることなく、エロガントなシェイプにさせて頂きました。
撮り忘れた後ろ姿も上品なラインを描いていました。


あっ!タイトルについて何も書いてない!!(笑
Kさん、ありがとうございました!
2着目以降、更に昇華させ、
もっともっと洗練されたスーツにしていきましょうね!!
ん?もうこれ以上は必要ないかな!?(笑



2年越しでやっと見付けたピアチェンツァのカシミア地を使って、
ダブルのコートをオーダー頂きました。Tさん、長らくお待たせしてごめんなさい。


生地の質感と絶妙な色合い(僕の撮影技術では伝わりません!)を存分に表現するため
シンプルなダブルのコートをお勧めしようと思っていたのですが、、が!です。


どこか、ひと捻りしたお洋服がお好きなNさんですから、
(この辺りの感覚は10年以上のお付き合い、心得ております!笑)
ショールカラーをご提案させて頂きました。


さらにラペルを段返りにします!


11月末の完成を目指します!
完成が楽しみです。




昨日と今日は、
ミラノのサルトリアクレセントのトランクショーでした。
オーダーやお渡し、仮縫、また
ご見学にお越し頂いた皆さま、有難うございました。
撮らせて頂いたお写真の中から、幾つかご紹介させて頂きます。

ホーランド&シェリーのCRISPAIN から生地をお選びいただいたKさん。


肩甲骨の張りが気になりますが、
型紙の調整ばかりか、アイロンでクセ取りしますので問題ありません。


どれくらいの隙間が開いているか、、


ここからは全てNさんシリーズです!
まず最初のカチョッポリのジャケット地は絶妙な色合いです。
Nさん、パッと見て一目惚れして頂きました。


合わせて頂くパンツは、
クラシックなグレーは何本も濃淡お持ち頂いているので、
今回は、ちょっとモダンにジャケットにも使われているブルー系で
更にジャケットに似たペーンが効いています!


こちらはウール・シルク・リネンの3者混、来春の完成予定です。
合わせて頂くパンツは
光を浴びるとグリーンにも見える、
ひと捻り効いた無地の玉虫色ミディアムダークブラウンです。
もう1着、お仮縫いのお洋服があったのですが、撮影を忘れてしまいました(汗。


最後はボルドーブラウンのウールコーデュロイ素材のスーツです。
こちらも余りお目にかからない生地で、
コーデュロイなのにドレープが効いて面白いです。
ただアイロンを効かせにくかったようで、河合氏を困らせた素材です。


参考まで、、
このネクタイはジャンニ・チェルッティ氏によるビンテージシルクのセッテピエゲなのですが、
一部に芯を入れた(剣先部分のみ芯を抜いた)スフォデラート仕様となります。



Kさん、お待たせしました!


480gと、へヴィーな生地なので、
出来立てはゴワゴワしていますが、直ぐに馴染んできますよ♪




Kさん、中縫お付き合い有難うございます。
SCABALの『BIG BEN/480g』 味わい深い生地です。




前回の体に合わせる仮縫を経て、今回は造形する為の仮縫です。


前回がこちらです
バスト周りのボリュームを抑えるために、かなりあちこち微調整して、
随分とスッキリしたスマートな印象に変わりました。




オールシルクのツイード調のザックリしたジャケットです。
真夏以外、1年を通じて使って頂け、
Kさんから「軽い上に柔らかい!」と言って頂きました。
Kさん、いつもありがとうございます!!


シルク(絹)について簡単な説明をさせて頂きますね。

蚕(幼虫)が成虫(蛾)になる時、蚕は繭を作ってその中で過ごします。
外敵や紫外線から蚕を守る役割を果たす存在が繭で、
繭の中は乾燥し過ぎることなく適温が保たれるそうです。
その繭を利用して作られる繊維がシルクですから、自然界において、
蚕の命が守られるのと同様、この繊維を身にまとう人間も守られるような気がします。

シルク繊維はアミノ酸で構成されたタンパク質で人間の肌にもっとも近い天然繊維で、
吸水性や保湿性に優れ、速乾性にも優れている機能素材です。
また、シルク繊維は熱伝導率が低いですから、夏は外気の暑さを伝えにくく、
冬は寒さが伝わりにくいという、1年を通じて体温を逃がさない快適な素材でもあります。

ただし、シルク繊維は極細(直径10ミクロン)で、
ウールの繊維番手に換算すると「Super270’S」ほどになり
とてもデリケートな素材でもありますから、糸引きなどが起こりやすく
引っ掛けないように、注意が必要です。(ちなみに繊維番手と糸番手は異なります)
お手入れも、ちょっとした知識があれば気軽にお付き合いして頂けますので、その都度お伝えしています。

最後に、、
この生地は『Tessitura di NOVARA』というシルク専業とも言えるイタリアの機屋製です。
1932年創業で、2009年からE・Zegna 傘下になりました。
もともとは、主に高級プレタポルテ(既製服)の生地を織っていましたが、
ゼニア傘下となったことで、
オーダー用の生地として僕たちも手に入れることが出来るようになりました。
またNOVARA社にとっても、今までのシルク100%に加え、
ウール、カシミア、リネン等のノウハウを得て
ラグジュアリー素材の生産がおこなえるようになりました。
消費者にとっては嬉しい限りですね!