八ッダースフィールドから電車で30分程の距離にある
坂道の多い街、ブラッドフォードの駅から車で10分ほど郊外に走ると、
英国らしい質実剛健なコレクションで知られるベイトマンオグデンのウェアハウスがあります。
ここは英国地だけを扱う生地マーチャントで、マニアックなコレクションが多いです。
というか、それが英国では、一般テーラー向けでしょうか?(笑)


バンチ展開される生地は、全て湿度管理されて保管されています。


オーダーの都度、生地は要尺カットされ、日本に向けて発送され、
約1週間で、通関も済ませて手元(日本)に届きます


レギュラー展開されている生地以外にも、シーズン毎の打ち出しがあります。


ベイトマンは、今回が初めての訪問ですが、BUNCH(バンチ)展開されている生地以外にも、
色々と面白い生地が多く、今回もホップサック調の白いジャケット地や、
ハーフミルドのホワイトサキソニーも買い付けてきました。
裏地のコレクションも、色鮮やかに豊富です。


右が、初めてお会いするオーナーのコリンズ氏です。
ボルドーカラーのジャケットを選ばれるとは、やっぱりマニアックです。(笑)





早朝のジョンレノン空港(リヴァプール空港)です。
昨夜、スペインから深夜に到着し、空港内のベンチで一夜を過ごし、
いよいよ今からハッダースフィールドに向かうのですが、中々バスが来ませんでした。
やっと来たこのバスで、マンチェスターに向かい、そこから電車に乗って八ッダースに向かいます。


ロンドンから北に300km弱、ヨークシャー地方に広がる幻想的な朝靄を車窓に見ながら、
ローカル電車でたどり着いた、嵐が丘で知られるヨークシャーにある、
英国服地の聖地、ハッダースフィールドです。
3度目の訪問となります。


駅前のホテル(画像の右手前)に早朝チェックインし、
待合せをしていたF氏に出迎えて頂き、朝食後ハッダースの町へ出ました。
そして今日の午後は早速お世話になっているベイトマンOgdenに向かうのですが、その前に、、


いきなり見たものは!
アウディ初の量産ミッドシップエンジン搭載の
プレミアムスポーツカー、日本でも話題の〝アウディR8〟でした。


このBar、駅の構内にあるバーですが、
実は、この初日の翌日、LEEDSからハダスに帰る電車を乗り過ごして、
目が覚めて降りた駅構内のBarなのですが、このBarがあったお陰で、氷点下の駅で、
1時間、外で待たずに、引き返す列車に乗れました。(汗)
でも何故か、店内のお客さんは列車には乗られず、どこへ行かれたのやら。。


StrongBowは、Beerというよりサイダーです。
仕事中も、昼夜と飲み続けた八ッダースの4日でしたね。(笑)
仕事が終わって飲んで帰った後も、買って帰って飲んでいたお気に入りでした♪





建築を見て歩いていると、カタルーニャ音楽堂を過ぎて、
偶然にも結婚式と遭遇しました。


ブラックスーツの方はいらっしゃいません。
皆さん、ダークスーツ(ミッドナイトブルーやダークグレー)です。


ラテンっぽい?ベロアとエナメルのコンビシューズが個性的。


女性もゴージャスな装いです。


少女たちも〝妖精〟のようです。


唯一見掛けたブラックスーツは、極太シャドーでした!
右の女性のヒールが、ヌーディーで素敵です。


こちらもまた、ベロアとレザーでデザインされた靴。
その左奥の女性のサンダルも、光モノ系、
宴の席では華を添えてくれます。


日本では見かけない風景にうっとりしました。
この写真から、何かインスパイアを受けてもらえると嬉しいです。



これサグラダファミリアに次いで有名ではないでしょうか?
ガウディ建築については、以前にコテコテと書いていますので、今回はサラッと。

20世紀の初頭、ミラ夫妻の依頼によって建てられた、この超高級な集合住宅(マンション)は、
現役の世界遺産で、実際に住んでおられる方もいらっしゃるそうです。


中に入って、エントランス方向を写しました。
全ての造形が有機的で、まるで生きているような気がします。


中庭は外部に吹き抜け、庭を取り囲む壁面や階段にも曲線が使われています。


バルセロナの目抜き通り、グラシア通り沿いに普通に建っています。
溶け込みすぎて、通り過ぎてしまいそうです。不思議です。


カーサ・ミラの屋上から、サグラダファミリア大聖堂が見えます。


バルセロナが凄い街だって思えるのは、
こうした建造物(芸術作品)が、街の風景に溶け込んでいるから。
後日また紹介させて頂きますが、町の北の外れ(丘の上)にあるグエル公園なんて、
世界遺産である公園が今でも普通に、市民の憩いの場となっているんです。



今回見た中で最も印象的だったガウディー建築〝カーサ・バトリョ〟です。
見た目のインパクト(表面的な事)ではなく、
最も人間との関わりを感じた設計(内面的な事)だったからです。


ピカソにしろガウディにしろ、その奇抜さから、
ついつい、見た目で好き嫌いが語られがちなのですが、
表面的ではなく、どうして彼等がそんな表現をしたのか考えてみると、
もっともっと深いものを感じる取る事ができて、とても面白いと思うのですが、、

このカーサ・バトリョも、ガウディがどれほど住む人の立場で考えて設計したか、
それが見えてくると、単なるデザインだと思っていたガウディ建築が、
現代の〝エルゴノミクスデザイン〟に通じるものであり、
またそれが、有機的な機能美(芸術)だと言われる所以だという事にも気付くと思います。


全てが高次元に、そしてハイセンスにまとめられています。
余りの衝撃に見入ってしまって、写真すら撮り忘れました。(苦笑)
数あるガウディ建築の中で、僕が今回最も衝撃と影響を受けたのがカーサ・バトリョでした。




2001年の夏に、僕はイランに行きました。
フセイン政権が崩壊(2003年4月)する前の事ですから、
個人旅行が誰かに迷惑をかける事になるなんて、全く考えませんでした。

ただ僕は、未知で神秘的な感じがする国だって云うだけでイランに向かいました。
どんな国なのか、実際に自分の眼で確かめてみたい、、

最近のニュースを見るたびに、イランで出逢った人たちのことを思い出します。

タクシーに乗り、行き先を〝レストラン〟だと伝えると、
我が家に来て、俺の家族と一緒に晩ご飯を食べないか?なんて誘われ、
食べきれない料理や果物を出してくれ、お土産まで持たせてホテルまで送り届けてくれたり、

週末の夜、河原を歩いていると、
ナイトピクニックを楽しむ家族連れから呼び止められ、
これでもかというほどサンドイッチを振舞ってくれた上に、お土産まで、、
・・・イランでは、週末になると家族総出でナイトピクニックを楽しむ習慣があるようです。

また、大きなリュックを背負って歩いていると、
車を止めて呼び止められ、目的地まで乗せてってくれたり、、

彼らの国を旅していると、こんな事は日常茶飯事のように起こります。
ですから、ニュースでイランの事が報道されるたびに、そんな彼らの事を思い出し、
思い出とのギャップに複雑な気持ちになるんですよね。

日本では、凶悪な犯罪を報道で知っても、
僕たちの生活は大きく何かが変わるわけではありません。
しかしそれがイランの報道となると、彼らの普通の生活を知る由もなく、
その報道だけが、イランと云う国のイメージとなって植えつけられてしまうと思うのです。

7年前のイランのイメージが崩れようとしている自分と、
7年前の彼らの優しさや笑顔を忘れたくない自分との葛藤に、複雑な思いが募ります。

今まで行った外国で、最も人の優しさに触れる事ができたのがイランです。
願わくば、もう一度あの時の思い出を確かめに行ける日を楽しみに、、

イスファハンにあるスイオセ橋周辺に広がる公園では、皆んなピクニックをしています。
これが夜になると、凄い数になるんです。


この家族も20人くらいの大所帯でやってきてました。
晩ご飯を食べた後(21時頃)でしたが、いっぱい食べさせてくれました。(苦笑)
画像の左下に、サンドイッチにする前のパンがあるでしょ!(笑)


シラーズにある、サァディー廟です。
中東からアフリカ、インドなどを放浪した抒情派詩人、サァディーが眠っています。
季節的にか、至るところで花が咲き乱れていました。


同じVESPA(PX200)に乗ってるって言うと、「乗れ乗れ!」と言って勧めてくれた少年。
それにしても熱い! 吸汗速乾に優れたノースフェイスのTシャツが、
汗を掻いた瞬間に乾くくらい、、ヘロヘロです。。


歩道でサッカーをしていた人たちに写真を撮ってくれと言われ、
すると、何故か近くを走っていたおじさんが寄ってきて、俺も撮ってくれ!って。(笑)


どうですか?すごく緑が多いでしょ!
対面道路の間には、こんな大きな歩道があるんです。


イスファハンからシラーズに向かう長距離バスに一緒に乗った人たち。
バスに乗る前にピクニック?してたのですが、
ここでも、またまたサンドイッチを振舞ってもらいました。(苦!)


あるイラン人家庭に招かれた際の1コマです。
この家族、めちゃくちゃファンキーで明るい皆さんでした。
おじいちゃんおばあちゃんと、その2人の娘さんと、その家族が一緒に住んでいる
大家族で、みんな仲良しでした。
ここでも食べ切れんばかりのサンドイッチと果物を出してもらいました。
ちなみに、イランは真水が飲める国なんです!(驚)
街のいたるところで水が飲めるので、皆んなMyカップ持ってます。


思い出の時間を過ごさせてくれた彼らへのお礼として、
日本で殆ど紹介されてない彼らの素敵な一面を知ってもらえれば、、
これはこれで、イランの1つの素顔であることが分かってもらえると嬉しいです。



当初の出張予定では、アイルランドのベルファウストにある
アイリッシュ・リネンのミル、スペンスブライソンへの訪問予定だったのですが、
急にキャンセルになり、飛行機の乗り継ぎの関係で、急遽、週末をバルセロナで過ごす事になりました。
出国前の2夜は、この手配のために、寝させてもらえませんでした(汗。
そんな事はさておき、、良かったですよ、バルセロナ。

アントニ・ガウディが残した建築物を直に見ることを通じて、
彼が何を見て、何を考えて仕事をしてきたのか。その結果、なぜそのような形が生まれてきたのか?
彼の、仕事に対する、執拗なまでの情熱を全身全霊に浴びさせてもらいました。

感動的な音楽を聴くと、何故か涙が出る、、
そんな経験をされたという方もいらっしゃると思いますが、
それと同じように、僕もガウディの建築物を見ながら、何度も涙が浮かびました。

スペイン生まれのピカソがパリに移るまでの、まさに青年期を過ごした街もバルセロナです。
ガウディにしろピカソにしろ、ちまたでは奇人変人扱いされる彼らですが、
実際にガウディの建築物や、ピカソのデッサン画を見れば、
驚くほどの基礎力に納得せざるを得ないハズです。
ピカソ美術館といい、今回突然降って湧いたバルセロナでの滞在は、
感動の連続、かなり感動的でした。

詳しくは、後日あらためてこのダイアリーでお伝えするとして、
それではた~っぷり、、画像を見て下さい!

カーサ・ミラ(世界遺産)   ※カーサ(CASA):住宅

パルク・グエル(世界遺産)  ※パルク(PARC):公園

カーサ・バトリョ(世界遺産)

サグラダ・ファミリア(世界遺産)日本語では聖家族教会

コロニアグエル教会地下聖堂(世界遺産)

コロニアグエルの町並み(世界遺産)

カタルーニャ音楽堂(世界遺産) ※これはガウディの作品ではありません。

世界遺産的な!洒落た〝シルエット〟ディスプレイです。
さすが!芸術の街、バルセロナですね!

ちなみに、バルセロナを州都とするカタルーニャ地方は、
マドリッドを州都とするカスティージャ地方とは全く異なる伝統と文化を持っています。
カスティージャに対する対抗心はとても強く、
フランコ政権下、カタルーニャ語の使用が禁じられていた時代でも、
カタルーニャ人たちは、密かにその言語を伝えてきたそうです。それを証拠に、
今でもカタルーニャ地方では、スペイン語とカタルーニャ語が並記され、使われています。
誇り高きカタルーニャ人だからこそ、
独自の文化・芸術を生んだのではないでしょうか?
ご記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、スペインのマーチャント、
独特のコレクションを誇る〝Gim Tex〟ジムテックスへの訪問は無理でした。(苦笑)



ミラノでの初日は、楽しみにしていたミラノウニカの初日です。
ミラノウニカはイタリアの総合見本市で、2年ほど前に、
元々別に開催されていた次の5つの見本市が1つに集約されたものです。
 ・ Idea Biella  (紳士用の高級ウール地)
 ・ Idea Como (婦人用の高級シルク地)
 ・ Prato EXPO (プラート産地の服地)
 ・ Moda In    (付属品と各種テキスタイル)
 ・ Shirt Avenew(高級シャツ地)

この中でも、今回行きたかったIdea Biella(イデアビエッラ)は、
羅紗屋さん(アパレルやテーラーが生地を仕入れるところ)が行くような展示会。
ですから、僕たちテーラーは入場できませんし、それに、
羅紗屋さんでも、規模によっては入れないという敷居の高い展示会です。


にもかかわらず、今回は取引先の羅紗屋さんが到着される前、
大切なバイヤーパスをお借りできましたので、そぉ~っと潜入してきました。(笑)


そんな〝命懸けの真剣なバイイング〟の現場なのに、
興味本位でノコノコ参加してごめんなさい。


でも、僕たちの手元に届く生地が、どんな風にしてやってくるのか、
聞いてばかりではなく、見ておきたかったのです。


ここはアパレルメーカーが、来季はどんな服を、どんな生地で作るかを検討する場です。
そこで検討された生地の見本を持ち帰って、全体を見渡しながら再検討し、
最終、決定した生地だけをメーカーに発注する事になります。

そして、その生地を使って作られた洋服たちが、
1年後の同シーズンに店頭に並び、僕たちの手元に届けられます。
もしくは1年後に、僕たちテーラーの手元に届くわけです。

ということは、生地メーカーは、
1年先、製品になって販売される洋服を想定して、
生地を企画してるって事になりますね。

洋服地の見本市〝イデアヴィエラ〟と同様、
シャツ地の見本市〝シャツアヴェニュー〟も開催されています。


各メーカーのバイヤーが、イメージしやすいようにと?
各生地のイメージに合ったシャツに仕立て上げたメーカーもあります。


朝から晩まで1日歩き回って、巨大な会場を後にしました。
今回、色々とご尽力下さったKさん、そしてJさん、本当にありがとうございました!




本当に色々ありましたが(笑)、今回も充実した旅となり、今日帰国しました!
アイルランド行きが、諸事情によって急にキャンセルとなってしまい、
その分、思ってもみなかった先に寄せて頂けたり、
はたまた飛行機のフライトの関係でバルセロナに立ち寄ったり、
これまた日付を越えた深夜のリバプール空港に到着し、そのまま空港で寝たり、、
そんな中で、残念ながら叶わなかった訪問先は、次回の楽しみに取っておく事にします。

という事で、長い間お休みを頂き、ありがとうございました。
また今回の訪問に際し、お世話になった皆さまに御礼申し上げます。
その模様は追々お伝えしますが、先に訪問先の中から数枚ピクアップさせて頂きます。

Edwin Woodhouse (英国|ヨークシャー州リーズ)
右が共同経営者のジョン・ゴント氏、左が営業担当のジョナサン・スペンサー氏です。

acorn (英国|ランカシャー州ネルソン)

*acornの経営者、チャトバーン家
左から長男クリス氏、ジョン・チャトバーン氏、次男ジョージ氏

Martin Sons&Co,Ltd. (英国|ヨークシャー州八ダスフィールド>
左から営業企画デザイナーのハンナさん、マネージングディレクターのゴードン氏、
そして、セールスディレクターのジェーンさん

Bateman Ogden (英国|ヨークシャー州ブラッドフォード)
右が、自らこだわりの生地バンチサンプルを編集する社長、コリンズ氏。

*William Bill (英国|ロンドン)
ツイードのスーツにカシミアのネクタイ姿。
カントリージェントルマン的な着こなしには、年季が入った貫禄を感じます。
昨年のドネガル行きが実現したのは、この方のお陰でした。

*William Bill の織りネーム

*william Billのオフィスに掛けてあった仮縫い中のアイリッシュリネンのジャケットは、ヘンリープール製。
どうやら社長用みたいです。(笑)



パリのシャンゼリゼ大通りで見た完全防寒装備されたベスパ。
若いパリジェンヌが乗って去ってゆきました。
それにしても、ちょいイカツイです。


イタリアとスイスの国境、スイス側の町ルガーノにて。
イタリアやフランスじゃ実用車として乗られている事の多いスクーターが、
ここでは、どれもレーサーレプリカ!(笑)



ミラノで見るスクーターより、確実に派手だし、
それに何といっても、綺麗にお手入れがされていますね!(笑)


国が変われば、事情もこれだけ変わるんですね。(笑)


コレ、おまけです、、ミラノの街角でみたビアンキの自転車。
チェレステグリーンの車体のヤレ具合が雰囲気♪