以前から連載中?のジャケット再生計画も佳境に入ってきました!
いよいよ、本縫工程です。


もともとのゴージライン、分かりますか?
襟先は同じ位置ですが、ゴージの角度は随分と変わりました。
胸ポケット位置も3.0センチほど、上に移動し、ゴージラインもそれにつれて上へ移動!

Tさんの元々のご要望は、着丈や袖丈を短く、
肩巾を詰めて全体をスリムにして欲しい!という内容でしたが、
お持ちになられたジャケットは、肩の大きさを強調する為ゴージラインを下げて
厚いパッドを入れてある、いわゆるバブル期のビッグショルダージャケットに近いスタイルでしたから、

Tさんのご要望通り、
着丈や袖を短く、肩巾を狭くしてバストやウエストを細くしただけでは、
洋服のイメージを印象付ける「顔周りの印象」は変わらず、
それどころか、チグハグになってしまいます。

そんな説明をさせて頂き、
今回のような『仕立て直し』の提案をさせて頂きました。
着丈を短くすることができる状態でしたから、このようなご提案をさせて頂けたのですが、
既製服など着丈がジャストのお洋服で、全体的にスリムにするだけでしたら、
肩で着丈を詰められませんから、ゴージ位置を高くできませんし、
胸ポケットの位置も変えることは出来ませんでした。
今回は、全て良い方向に向いた事例です。


肩パッドも、Tさんの肩傾斜に合わせて左右毎に作り直してあります。
肩傾斜の設計を引き直す時に肩線を解くので、着丈を短くするのも同時に肩線で処理しました。
肩線で着丈を短くすると上襟も7センチ短くなり、ゴージがどれだけ上に移動したか分かって頂けると思います。
肩線を解いた、この流れで、
反身補正も同時に処理してしまいます。
前身頃の肩線で4センチ、後身肩線で7センチ短くし、
上襟や袖のなど各部の線を調整し、両脇の縫線で縫い合わせます。
結果、着丈は7センチ短くなっているのですが、反身補正のため前身は4センチだけです。
このように、全てを肩線(肩周り)で処理したので、
大きなアームホールも小さく浅くなって、丁度よい感じに今風です♪


フラワーホールを見て頂ければ、もとのゴージラインの角度や、
ゴージラインの低さを、容易にイメージして頂けると思います。全くの別物でしょ!
上胸巾もコンパクトになってスッキリ!
これ実は、、トムフォード風?に襟巾を1センチ広くしたので、
より一層コンパクトに見えるようになったんです!