マイスターファクトリーの口野君が、
型紙から最終の仕上げまで頑張ったスーツです。
まだまだ段取りがつかめずに、最後のほうは寝ていませんが、
これで3着目になるスーツで、自分の欲しい線を引き、欲しい雰囲気の洋服を
完成させる事が出来て、とても嬉しそうでした。合わせるシャツは焦げ茶でプレスがまだですが(汗、
このスーツを着て、明日からの新しい研修先に向かいます。2ヶ月間キツかったと思いますが、よく頑張ったと思います。
1日10時間の研修が終わってからも、毎夜毎夜、型紙を引きまくりながら、このスーツを縫い上げましたから、、




型紙はフルオーダーなんですけど、
縫製はプレタ(既製服)仕立てで雰囲気を表現しました。
着て欲しかったんですけどね~、お子さんが車で寝ておられて、、撮影は断念!!


以前、こちらでもご紹介させて頂いておりますが、
照明を強く当てると、ラメでキラキラ光っているのが見えますか?
袖もセミフレアーの金ボタン5個! フロントボタンも金ボタン1個で、かなりローポジション!


Kさん、このジャケットで
サタデーナイトヒーバーですね!(ヒ~バ~ ヒ~バ~!!笑
ごめんなさい、オッサンの戯言と聞き流して下さい。



ガソリンのようなブルー!を希望されたKさん。
女性の口から「ガソリン」と云う言葉が出てきてビックリしました。
お話をうかがうと、この「ガソリンのような」ブルーが流行色になるそうなんです(笑。
スカートのプリーツは躾糸で留めていますが、開くと大人っぽさの中に愛らしさのあるデザインなんです。


僕が使っている「ペンゾイル」や「カストロール」のOILの色を思い出し、
サンプルの中から見付けました!といっても、生地の裏側を使って、この色なんです(笑。
青と黒が混ざった鉱物系の玉虫色なんですけど、伝わらないか、、完成したら、Kさんに撮らせてもらおっと。




気に入ったフィッティング、気に入ったカッティングのTシャツがないとの事で、何と!
デザイン~型紙を作って、ファーストサンプルが完成しました。
少し修正して、セカンドサンプルを作ります。
Kさん、スゴい格好いいです!


生地は、極上のカリビアンコットンです。
シーアイランドコットン(海島綿)の種をカリブ諸島で栽培し、
シルクのような光沢と極上の肌触りが、ストレッチ製の効いた生地で堪能できます。
某高級メゾンで5万弱で販売されていたTシャツにも使われた生地で、その2年物を見せて頂いたのですが、
少し光沢感はなくなるものの、目が詰まってシッカリ、それでいてふんわりとした風合いでした。
この生地を、カシミアのニットに例えてみますと、、
極細のカシミア繊維を、極太の毛糸にして編んだニット、そんな感じです(笑。



こんにちは。大坂です。

先日思いがけず友人から素敵なプレゼントが届きました!
折り畳みの傘です。しかもジャンプ式!!かわいい真っ赤な傘で、雨の日が楽しくなりそうです。


傘を眺めて思い出したのは、ロンドンや海外での雨の日の風景です。。。
日本では雨の日に傘をさしてない人を見かけると「可哀想に、忘れたんだな、、」と連想してしまうほど
傘が当たり前ですが、外国では傘の有り無しは半々くらいです。


よく不思議に感じていましたが、服飾文化背景を考えると、なるほどな、と合点がいきます。
例えば、天候がいつも不機嫌なイギリス紳士は傘を持っているイメージ、あんまりないですよね?
それはイギリス紳士が着ているスーツは目のガッチリ詰まったウールや脂分を含んだツイードだったり
雨を弾くような生地だからなのです。
傘を持たずにやせ我慢でかっこよくしているのではなく、へっちゃらだったんですね(笑)



3日過ごしたシチリアとも今日でお別れ。
カターニャの駅前でパニーニとビールの晩ご飯を済ませ、


翌朝のナポリに向かう列車(終着はローマ)に乗り込みました。
もちろん、缶ビールも買っています(笑。


時間の節約も出来るしホテル代も浮くし、それより、
あの心地よい振動が子守唄みたいに聞こえ、酔いが回ってきて
自然に眠りにつける、あの心地よさが止められず、昔から夜行列車は大好きです。


カターニャ22:04出発
メッシーナ(海峡)駅23:30到着
準備を済ませ、23:50から船底に積み込み開始!


牽引してきた機関車を切り離し、
最後尾の車輌の後ろに機関車を連結し、後ろから押します。


列車が船内に押し込まれてゆきます。


前の3両だけ切り離して、一旦バックし、また次の列車を押し込みます。
今度は4両を残して機関車と切り離し、またバックする。
これを繰り返し列車は全て積み込まれます。
牽いてきた機関車はここまで。


積み終わったら、船内に出てゆっくり過ごせます。


メッシーナ海峡の夜景を眺めながら、
ナポリ側の港、ヴィッラSt.ジョバンニに向けて船はゆっくりと進みます。


船は、イタリア国鉄『トレ二タリア』の専用船です。
昔の青函連絡船も、こうして列車を積んで海を越えていました


25時、ヴィッラSt.ジョバンニに到着すると、線路がゆっくりと降りてきました。


今から約30分かけて列車を降ろします。


イタリアの地図を思い出して下さい!
船を出ると、イタリア長靴のつま先に上陸です(笑。
それじゃ6時のナポリ到着までゆっくり休みます、お休みなさいzzz
到着して午後から、ロンドンハウスの工房と、アミナ・ルビナッチのニット工房訪問です。


最後に、、
話の流れと関係ないんですけど、フィアットが作った初代ペンドリーノ(ETR450)です。
愛嬌のある風貌ですが、最高速度320km/hで、営業速度は250km/h。
1988年の登場で今は主要路線からは外されましたが、
日本の初期型0系みたいな扱われ方で、
今でも現役で走っています。


前回の出張の時はバルセロナに行った週末旅行でしたが、今回のシシリー行きも大満足!
ナポリに着いて、今日からまた工房巡りが始まります!!
それは、また改めて。



大坂です。
素敵だなぁ、、、と感じる人って
「自分のスタイルを確立できている人」だと思いませんか?
ちょうどスーツをつくることにしたので、改めて「自分」を表現するディテールについて
パーツごとに紹介しますので、みなさんご参考にしてくださいね。

今回は「ショルダーライン」について、、、
肩のアウトラインを丸めにして作ってくれていたのですが、
仮縫い時に、あえて少し肩をコンケープ気味(上げ気味)にリクエストしました。
理由は、このスーツを着る場を考えて、自信ありげに見えるようにです。
「そんなことしなくても十分自信ありそうでしょっ!笑)」と聞こえてきそうですが、、、

人と話していて突っ込まれることが多い方は、
装いからコンケーブショルダーのジャケットで「自信あり」を表現することも一案です。
逆に、目上の方と話す機会が多い方はドロップショルダー気味のジャケットを選ばれると可愛がってもらえますよ。



世界中を飛び回り、第一線で活躍されている
ドキュメンタリー写真家、報道カメラマンが撮影した10万点の作品の中から、
世界報道写真財団と国際審査員団が選んだ160点が、ハービスPLAZA大阪『ハービスホール』に展示されます。

展示期間:2013年8月6日(火)~15日(木)
展示会場:ハービスHALL(ハービスPLAZA大阪地下2階)
開催時間:11:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料金:一般700円、大学高校中学生500円、小学生以下無料(前売は200円引き)

無料招待券を10枚のみご用意させて頂きました。
ご希望のお客さまは、ご連絡下さい。




数年ぶりにお客様が文章を書いて下さいましたので、ご紹介させて頂きます。
D.K.さま、今回ばかりか、いつもありがとうございます!


不惑を迎えた私は、残された日々を価値的に過ごすために、
仕事から生活の隅々まで点検しはじめた。

そこで、ワードローブの再構築を思いつく。
「これまで着ていた物が、本当に似合っていたのか」
ファッションアドバイザーとして誰かに任せてみようと考えた。

ラルフローレンが流行り出した10代はアメトラ、ハケットが日本に上陸した。
20代はブリティッシュトラッド、そして30代にはクラシコイタリアの魅力にやられた。
雑誌やネットなど、いろんな情報をたぐり寄せていくなかで、いくつかの候補に絞っていった。
その一つが、どんなスタイルにも対応できそうな「マッセアトゥーラ」だった。

最初の電話は今も忘れられない。
マシンガンのように、専門用語を浴びせられた。
一瞬ひるんだがピンと来た。「この人なら私の要望に応えてくれるかもしれない」

しばらくして店舗に足を運んだ。驚くほど広くて深い知識は、
柳瀬氏の服への愛だと受け止めた私は、「ワードローブ再構築」を託すことにした。
あれから、数年が過ぎた。再構築はまだ道半ばであるが、あの時の判断は正しかったと思っている。
「これが正しいフィッティングだったのか」
「こんな色が似合うのか」
加齢と共にいつしか固まり始めていた概念がリフレッシュされている。 

話は初訪問に戻る。
最初に作ってもらったのは、ネイビーのジャケット。
魚釣りというものはフナに始まりフナに終わるという。男の服なら、やはりネイビージャケットだろう。
大学の入学以来、ワードローブのセンターはネイビーブレザーだ。

羽織ってフィッティングに驚いた。軽い。
カーディガンのようだ。しかし、肩は構築的に仕上がっていた。
今やヘビーローテーションになってしまった。
 
二着目は、ネイビースーツ。
色は、ミッドナイトブルー。夜間の灯下では、黒に見えるつやのある色だ。
この時は、パンツのフィッティングが気に入った。
ゆとりがあるのに細く見えるものの、流行のような軽薄さがない。
中年の男に似合う絶妙な太さが気に入った。ジャケットも更に洗練された感がある。
どんな場所にも自信を持って臨める一着となっている。
 
三着目は、グレーフランネルのスリーピース。
「グレーフラノの男」。だれだってあこがれるだろう。
しかし、私はフラノのゴワゴワ感が少し苦手だった。すると柳瀬氏は、
カシミアが入ったイタリア製のフランネル(オルメッツァーノ)の生地を勧めてくれた。
柔らかさと、少し青が入ったグレーの色合いに一目惚れ。できあがったスーツは30代までの物より一段階明るい。
これ以降、いくつかのスーツやジャケットを作ったが、色目は明る目になっている。
似合う色が分かったことに感謝している。

秋冬用のネイビージャケットを相談した時、ネイビーブルーの生地を用意してくれた。
好みのヘリンボーンだったため、即決。仕上がった時、妻からほめられ、正直嬉しかった。
心なしか二人の間が近づいたように感じた。たかが服、されど服である。

また、春夏用に千鳥格子のスーツを所望した際、黒ではなく紺と白の格子柄を用意してくれた。
明るすぎないかとちょっと勇気が必要だったが、今ではお気に入りの一着となった。
新緑のまばゆさに映える色柄は、足取りを軽くしてくれている。

柳瀬氏のホームページを見ていると、普通の職業に就く人だと驚くことがあるだろう。
花札のような柄のジャケットや、蛍光色のコート。
芸術的に感性を発揮しながら楽しんでいるが、それは一面に過ぎない。
実際は、極めてオーソドックスなスタイルの洋服を、絶妙なサイズ感と色で作ってくれる。
今はただ、私のワードローブに蛍光色のスーツが加わらないことを願うばかりである。

2013年7月4日



柳瀬より・・・
D.Kさん、いつも楽しい会話、
ためになるアドバイスありがとうございます。
奥さまとの関係性にまで貢献できた?ようで嬉しいです(笑。
そして最後の一節を読ませて頂いて思ったのですが(次がその部分の抜粋です)

> 柳瀬氏のホームページを見ていると、普通の職業に就く人だと驚くことがあるだろう。
> 花札のような柄のジャケットや、蛍光色のコート。
> 芸術的に感性を発揮しながら楽しんでいるが、それは一面に過ぎない。
> 実際は、極めてオーソドックスなスタイルの洋服を、絶妙なサイズ感と色で作ってくれる。

考えれば当然のことですが、確かにビックリされると思います。
自分が伝えたい事と、相手に伝わっている内容は明らかに違うと云うことですね。
いつも「着たい色と似合う色は同じとは限らない」と言ってるのに、自分のことになると気付かない(汗。

今後とも、気付きのヒントを下さい。
少しずつですが、納得したところから意識して変えてゆきます。



生ジロ×生八木さん、始まりました~♪(意外に少ない?)


写真からナポレターノのノリが伝わってきますね。
軽い?ノリの中にも、ジローさん、とっても良いことを話されてましたよ~
八木さんの「どうしたらオシャレになれますか~」って質問に、「綺麗なものを見て下さい」って。
僕が会ってきたイタリア人も「技術を教える事は難しくないよ。美しい物を知ってる若者が少なくなってることが怖いんだ」
そうなんですよね、、僕たち物作りの観点からみても、美しいものを見てないと、美しい物なんて作れないんです。


今回のファッショントークは、同じハービスのメンズフロアにある「ルイコレクション」さんが開催されました。
ルイコレクションさんは、GaGaやリトモラティーノなんかの代理店さんの直営店です。