4日間に渡って幕張メッセで開催された技能グランプリ
技術の中山君は、1位にはなれませんでしたが、日々仕事をしながら、
この1ヶ月余り、特に最後の10日程は寝ずに準備をしてきたことに敢闘賞を贈ります。


中山君は「僕を教えてくれた先輩(先生方)を抜こう抜こうと思っているんです。」と、、
僕が先輩なら、そんな後輩を頼もしく思うだろうし、自分も頑張ろうという気にさせられます。


実際に抜ける事はないにせよ、そんな気持ちをもって日々技術に打ち込む姿には、ホント感服させられます。


こんな大舞台で頑張れた事だけでも凄い事だと思います。
ナポリのラッジオ氏は、針を持つと震えていた手がビタッと止まりましたが(笑、
こんな舞台では、普段は大丈夫な中山君も、手が震え、、はしなかったのですが、それくらいの緊張感。


中山君、お疲れさまでした。
学校の生徒の皆も、いつかこの舞台に立てるよう
頑張ってもらいたいですね、、中山君を追い抜こうと言う気持ちで(笑。




以前お伝えしていた洋服が出来上がって、今日お渡しでした。
肩巾だけじゃなく、上胸巾も沿わせました。
肩の傾斜角も変わってきていてたので、現状に合わせました。
使っている糸、針目もオリジナルに合わせて、雰囲気を全く変えずに縫いました。
もちろん、いつものことですが、縫ったのは僕ではなくて技術の中山君です(笑。お疲れさまでした!


やはり15年すると、少しずつ体型も変わります。
首の付け根に筋肉がつくと、傾斜角は撫肩になりますし、逆に
筋肉が落ちると、結果として怒肩になりますから、角度の調整が必要になります。
もちろん誰でもじゃなく、体を鍛えられていた方がトレーニングを止められたり、逆に始められたり、、
すると段々、体に合わなくなってきます。愛着のある洋服だけに、特に今回のような人の手で縫われた高価な洋服など
きっちり合わせて、こうして新しい息吹を入れてあげれば、また今から何十年と着て頂けます。
プレスも雰囲気を壊さないように、全体にスチームを入れさせて頂きました。
Tさん、楽しい仕事をさせて頂きありがとうございました。
中山君は悶々としていましたけどね。




ドラッパーズのホップサック調のコットンジャケット。
ナポリクチュール2度目のオーダーで、今回のジャケットで落ち着けば、
次回は仮縫しなくても大丈夫です。生地の違いによる着用感やドレープ感を気にされるなら
もちろん仮縫をさせて頂きますので、お好みでどうぞ。ちなみに僕自身の服だと仮縫しない派なんですけどね(笑。
今回は、1着目から再調整をさせて頂き、その確認の為の仮縫でしたがバッチリです!
3月末辺りの出来上がり予定で、アメリカ出張に間に合わせる事が出来ませんでした、ごめんなさい。



Oさんから、古き良き時代の?(失礼!)大切に着てこられたラルフローレンのジャケットをお預かりしました。
雰囲気も質感も、Oさんご自身のラルフローレンITEMの中では最高ランクだそうです。
濃厚な作り込みがされていて、今の物作りとは全然、違いますね。
どんどん手の込んだ物作りが出来なくなっています。
世の中から、なくなってきています。


僕もラルフローレン歴35年です!(笑。
この質感、大学時代に初めてアメリカに行った時に買った
ラルフローレンに似ていて、人の手を濃厚に感じる、とても手の込んだ作りです。


今回のお直しは、全てが連動しているので、
ほぼ全部バラバラにしなくてはなりませんが、全部を解くと、
作業効率的には良くなりますが、元の縫いの雰囲気とかが分り難くなるので、


ある程度を残して解きました。といっても、7割方は解いていますが、、
まずは糸ですが、色だけではなく、光沢感も揃えないと、縫った時に浮かび上がりかねません。


着丈もバックベルトを4センチ上に上げるのですが、このベルトがまた厄介で、貼り付けではなく切り替えてあるんです。
なので着丈を詰める、、と云うより、ベルト部分で解いて、ベルトから下と一緒に全体に上に移動します。
すると、両脇が長く残ってしまいますから、長さを合わせる為に4センチCUTします。
前端は2.5cmカットに留めておき、前傾斜をつけることにします。
とても難解な仕立て直しですが、燃えます(爆。
パズルを組み立て感覚が楽しいです。
楽しみにしてて下さいね!





姉妹店『TENOMICA Loissini』は昨年9月の開店以来皆さまのご厚情をいただき、
masseatturaとの2店舗体制にて、営業を続けて参りましたが、
来る2月28日(木)をもって、閉店する事になります。
何分急なことになりまして申し訳ありません。
何卒ご容赦の程お願い申し上げます。

短い期間ではございましたが、
皆様のご愛顧に心から感謝申し上げますと共に、
皆さまの、今後のますますのご健勝を心からお祈り申し上げます。

何時の日か、再開出来ることを願いつつ、
まずは略儀ながら書面にて、弊店のご挨拶とさせて頂きます。



5~3年着られたシャツの襟とカフの取り替えをさせて頂きました。
大切に着て頂いてありがとうございます!
取り替えた襟とカフも、何かに再利用して下さいね。
僕なら、、今だと店のフローリングのオイル引きに使うかな?(笑

昔、おばあちゃんが、使っていたタオルが悪くなると、切って縫って雑巾にしてました。
物を大切に、思い出を大切に、、使い捨ての時代だからこそ、日本の勿体ない文化を思い出します。
費用的にも、取り替え代を足して2で割って、1枚換算すれば、プレタ(既製)のシャツと似たような金額になります!
僕が高校時代に買ってもらった靴も、親からこう言い聞かせられました。
そういう事を教えてくれた祖母や親に感謝です。


Iさん、これからまた同じだけ使って頂けると思います。
3回目は微妙ですが、家で洗って頂いているので、2回目は全く大丈夫です。
いつもマッセアトゥーラのシャツを大切に洗って頂き、着て頂き、本当にありがとうございます。



10年ほど前までのジョルジオ・アルマーニのスーツをこよなく愛されているSさんから、
同じシルエットのパンツが欲しいと、3本お持ち頂きました。
どれも同じ時代の物ですが、Sさんはその微妙な線の違いが見えておられます。


これらのパンツ3本から、Sさんの気に入っておられる線を、良いトコ取りして仮縫いさせて頂きます。
生地もドレープ性に富んだ、落ち感のある生地をお選び頂きました。
仮縫いが楽しみです!ロンドン出張からお帰りに
なられる頃に出来上がってます!




1級建築士のTさんが、
竣工式用にと、オーダー頂いたスーツです。
より立体的なお洋服をお望みとの事で、工房で作らせて頂きました。
気が付けば製作過程を全く紹介してなかったのですが、気に入って頂けて良かったです。
Tさん、ご自身で引かれた図面が大きな公共物となって、竣工式の時、その中に自分がいるって最高ですね!
僕達が生み出す1着1着も、毎回ご試着頂く時、そんな思いです。




今月2月の22日~25日まで、千葉の幕張で、第27回技能グランプリが開催されます。
技能日本一を競う大会に、中山君が大阪代表としてテーラー部門に出場!
仕事の就業外や休みの日を使って、寝ずに縫っています。
それも『グランプリ用の縫い方』で、です。


テーラーという仕事は、1級ライセンスを持っていなくても仕事は出来ます。
持ってなくても、良い洋服を縫う人はいますが、僕が彼を尊敬するのは、資格ではなく、
器用なところです。彼は作る洋服によって縫い方及び、線の意匠を変える応用力の高さを持ち合わせています。


国が認めるテーラードの基本的な技術を有しつつ、
工業製品である既製服のパターンも引け、更に生産管理まで出来る。
さらには、出来上がった洋服ばかりか、写真やイラストからもパターンが抜けるところ。
その型紙から生地を裁断し、自分で縫い上げるところまで何もかもオールマイティーにこなせるところです。
それでいて、シッカリした昔ながらのテーラードも縫え、イタリアの洋服を髣髴させる雰囲気のある洋服も縫えるところ。
それは何を意味するかと言うと、その洋服が持つ匂いを感じることが出来るという事に他なりません。
彼も僕と同じで中学校の頃から洋服をオーダーし、顧客時代を過ごしてきた生粋の
洋服好きなので、色々なジャンルの洋服を知っているからでしょう。

なので、、僕が考える1級技能とは、
スキーで云う基礎スキーみたいなものでしょうか(笑。
基礎スキーの技術の上に、あらゆる感性がブチ込まれるんだと思います。

彼は大学を中退して21歳でこの世界に入り、16歳から針を持った人に追いつこうと、
その5年のブランクを埋めようと、寝る時間を惜しんで、型紙を引きまくり縫いまくったそうです。
それから15年がたった今、選ばれた人しか出場できない、技術者のオリンピックに出ます。(4年前にも出てます)


技能士会から出場のお話(=許可)を頂き、一生懸命励んでおります。
本来、グランプリで勝つ洋服は、現代のマーケットに適合して然るべきなのですが、
実際には疑問が残ります。逆に適合させる努力を惜しまなければ自ずと後継者を育成できる環境も生まれてくると思います。
市場を意識する事から外れるとテーラードの技術は伝統工芸になってしまような気がします。
洋服は伝統工芸ではありません。使って何ぼ、着て何ぼのものですから、、

これからの若い人たちが、どう思おう、考えようと自由ですが、
もし彼らが僕達と同じような思いになった時に、
環境だけでも残しておきたい、、
そんな思いです。

ということで、中山は22~25日は休みを頂きます。
これを云うために、長々と失礼しました(汗。



自分の着る服は、
後回し、、になるものです。
洋服屋には、分かって貰えます(笑。
技術の中山も、自分の洋服は長らく縫ってません。
でも、、自分が着て感じないと良い洋服は生まれないと思うのです。
もう少ししたら、この状態で時が止まった僕の服も、、もうすぐ春になるぅう~(爆。