ラムズゴールデンベールWoolと
エスコリアルWoolという、世界最高レベルの素材(糸)を使って、
世界最高峰の英国のミル(機屋)テイラー&ロッヂの手で織られた、夢の共演のような生地です。
ラムズゴールデンベールとエスコリアルWoolの、夢のような競演

一般に、Lumb’s Golden Bale(金に包まれた羊とでも訳しましょうか)と呼ばれる生地は、
ごく少量しか取れないメリノ種の極細の梳毛(ウーステッド)を使って織られます。
その、ごく少量しか採れない羊を飼育した牧羊業者に与えられる賞が、
ゴールデンベール賞(Golden Bale Award)なのです。
そんな希少価値のある糸と、これまた
カシミア以上に超希少なエスコリアル糸を使って織られています。
妖艶な、特別の織マーク

エスコリアル種については、
今のオーストラリアンメリノ種の起源とされ、
今でも純血のまま飼育されているのは、オーストラリアの隣、
ニュージーランドの5万頭(世界の羊の頭数全体の中で1%にも満たない数です)だけです。

少しだけエスコリアル種の歴史について触れておきますと、
モロッコのアトラス山脈の丘陵地帯を原産とする羊がスペインに持ち込まれ、
マドリッドの北西45kmにあるEL ESCORIAL修道院では、16世紀からこの種の飼育が始まりました。
当時の国王フェリペ2世(スペイン帝国の黄金時代)が、王族にのみ使用を許可したのが、
エスコリアルの名前の由来とされ、文字通りラグジュアリーな生地でした。

その後ナポレオンのスペイン攻略によって、
一旦エスコリアル種は絶滅したと思われていたのですが、
当時のスペイン王国は、親族や他国の皇族への大切なプレゼントとして、
この種の羊を贈っていたようで、その後、偶然発見された羊が19世紀初頭タスマニアに移され、
その後、現在まで純血種が生き残っており、今では英国のエスコリアル協会が指定する5社だけが生産しています。

この種は普通のメリノ種の1/3程の体で、繁殖能力も弱く出生率も低く、
原毛はカシミアの半分の軽さで収穫量も非常に少なく、カシミアの生産量にも達しません。
繊維が繊細すぎて製品化する事が難しく、2002年にようやく世界で最も細番手の羊毛として認定されました。

ちなみに、一般的なメリノ種は、
イベリア半島(スペイン)を原産とする最も有名な細毛品種ですが、
その起源は西アジアで、古代、地中海経由でイベリア半島に持ち込まれたそうです。以前は、
スペインの繊維産業の主力として、国費で飼育・改良され、近代までは国外への輸出が禁じられていたそうです。
それが18世紀に豪州に持ち込まれて更に改良され、
今ではオーストラリアンメリノ種として、オーストラリアの羊毛の75%を占めています。

こちらは夏用で、キッドモヘア60%に、エスコリアル20%+ゴールデンベール20%の割合で織られています。
キッドモヘアに、エスコリアルとラムズゴールデンベール

キッドモヘアの張りに加え、
何ともいえないラグジュアリーな手触りです。
夏物は痛み易いと云う理由から、高級な生地を避けられる方が多い中、
こんな超ド級の高級素材を選んでみられては如何でしょう(笑。汗対策はお伝えしますよ(爆。
絶妙のコンポジションに、絶妙の色使い。