Tさんのお父様が新婚旅行に着て行くためにお誂えになられたスーツ。
そんな思い出のスーツをTさんが譲り受け、着続けられる。
そんなリフォームを承る機会を頂きました。

ご身長はほぼ同じですが、
体型の違いのため、仮縫いによる調整が必要です。


時代性のせいか、お腹周りがゆったり作られているせいで、
ウエストは10cm以上絞り、アームホールはコンパクトに、袖も6センチ細く。
バスト寸法は、いつも作らせて頂くTさんの寸法より大きく仕上がっているにもかかわらず、
なぜかフロントカットが「逃げ」ずに「拝み」ます。釦を留めると、釦から下が重なって重く見えるんです。
バスト周りを削り、肩巾も削り、上襟も付け直しました。
肩巾をもう少し削って、パッドを作り直した方が良さそうですね。


パンツも、ほぼ全部解いた大掛かりなお修理でしたが、
かなり綺麗なラインが出ているので、あとは前股上を2cm削れば大丈夫です。


その場で微調整を繰り返し、着てもらって、確認作業を繰り返します。


袖の振りを微調整すればいけそうな雰囲気♪
パンツの方も、ポケット作り直したので、なんとか収まりそうです。


出来上がりの画像です。
最初の画像があれば良かったのですが、
予想を大幅に上回る出来栄えに、Tさんも喜んで下さいました。

脇の絞りだけではなく、バストダーツの絞りも強くして、
Tさんのお体に合わせた、メリハリのあるボディーに再構築できました。


裏地も破れていたので、
破れた部分だけ取り替えさせて頂きました。
総張替えでも良いのですが、オリジナルな部分を削り過ぎないように、、


今回のリフォームの経緯についてですが、
前回ご注文下さった4PLYの生地をとても気に入って下さり、
「そういえば親父のスーツで似たような生地のスーツがあったなぁ」という事で、
前々からリフォームにご興味をお持ちだったこともあって、今回のリフォーム依頼に至りました。
お父様からTさんへ、、素敵ですね。