本日をもちまして、年内の営業を終わらせて頂きます。

たくさん素敵なスーツが生まれ、嫁いでいったのは、皆様のお陰です。

今年もお客様を始め、縫製担当、生地担当の皆さまに支えられ、応援をいただきました。

お客様からのご注文がなければ売り上げは立ちません。

それを仕立てて下さる職人さんがいなければ、洋服はできません。

そして、良い生地が手に入らなかったら、良い洋服も生まれてはきません。

本当に、どれ1つとして欠けてしまうと、マッセアトゥーラは存続できなくなるんです。

マッセアトゥーラが、いかに多くの方たちに支えられて存続しているかを実感せざるをえません。

もっと言うと、同業の皆さんの集まり〝Boits〟の存在も、、



さらに、この〝オーダースーツ屋店主のブログ〟をご覧いただいた方々にも、

心から、「本当に本当に、ありがとうございました!」と、、

そして、「来たるべき2009年が、皆様にとって輝かしい素敵な年となりますように!!」と、、



「皆さま!2008年も心から、、ありがとうございました!」

年明けは、6日より通常営業させて頂きます。

マッセアトゥーラ 柳瀬博克








打ち合わせ2回、仮縫い2回を経て、ようやく完成しました。

Kさん、長らくお待たせして申し訳ありません。



パイプは、僕の私物です。



Kさんが選ばれた革は、伊バタラッシー社のナッパレザーです。

バタラッシー社の専売特許のような、古来から伝わるバケッタ製法で作られたうえに、

最後に特別な表面加工(卵の白身を使って独特の光沢を出す)が施された、

肉感のある、しなやかな革です。

通常だと、塗料なんかで光沢を出すのですが、

この方法だと、最初は鈍い光り方(地光沢)なのですが、

使い込むうちに、光沢が剥がれるのではなく、使い艶が出てきます。



出来栄えも、Bellagoのフルオーダーは、かなり質感が高い!

コバの仕上げは工業品ではなく、工芸品レベルです。

超一流のブランド品と並べてみても、完全に頭1つ抜けた仕上がりです。

細部にまで気を配られた造りは、味が出る前に壊れる、なんてことは考えられません。

もしも起こるとすれば、革が破れる時でしょう。





パイプを収めて、開いた状態が最も綺麗に見えるように、、

あくまでパイプが主役であって、バッグはパイプの引き立て役に過ぎません。





スーツと同じですね。

スーツが目立ってしまうのではなく、

スーツは着る人を引き立てる為のツールに過ぎません。




とは言うものの、持ち運ぶ状態も、とても綺麗だと思うのですが、どうでしょう?





収納するパイプによってインナーを交換できるように、

ベロクロテープの固定式にしました。





Kさんのイメージは、どこまで形になったでしょうか。

Kさん、どうもお疲れ様でした。 そして、ベラゴの牛尾龍さん、

Kさんの想いを、ここまで昇華させて下さり、本当にありがとうございます!






今年の年初に適わなかったアイルランドのスペンスブライソンですが、
ここのアイリッシュリネンは、皆さん知らず知らずのうちに、
マーチャントのコレクションで目にされているハズ。
しかし、ほとんどがマーチャント物なので、
直接目にする事は少ないでしょう。

そのスペンスブライソン社のリネンを、マーチャント物としてではなく、
オリジナルのコレクションで見ていただく事ができます。
ご興味のある方は、是非ご連絡下さい。

コレクションは、盛夏用のライトウエイトなものから、
あいものとして、早春や秋にかけて着て頂けるヘヴィーウエイトなものまで、
無地のウエイト(目付)違いや織り違いをはじめ、他にも色々な色柄が揃っています。

これは、経糸と緯糸の色を変えたシャンブレー調の生地です。
こんな感じで、ストライプも展開されています。
今回は、シャツ地もご準備させて頂きます。
こんなオルタネートストライプも展開されています。
今度こそ!と、2009年の春にスペンスブライソン行きを予定していたのですが、
生産拠点が、、アイルランドじゃなくなるかも、、という噂があります。
というか、既にチェコに移り、更にチェコから中国って噂まで。
シェットランドツイードやハリスツイードを始めとした、
地域性の強い生地は、存続の危機ですね。
何とかならないのか、残念です。


パーティーシーズン真っ盛りですが、

Tさんのベルベットスーツも、何とか間に合いました!

6×3のダブルブレストは、ボタン同士の間隔を、スッキリ縦長に見せています。

昨日のお渡しでしたので、表通り(4車線!)の車も少なく、久々に外で!





近くで見ると、こんなストライプ柄です。

ベルベットの柄って、どうやって出すかご存知ですか?(笑)

結構ブリリアントに写りますね。ボタンの色が浮いてますが実際は馴染んでます!





室内だとこの通り、実に落ち着いた表情を取り戻します。

ベルベットって、、僕はやっぱり大好きです♪








今日お渡しの、ゼニアの内蒙古(インナーモンゴリアン)カシミアのジャケット。

こんな最高級素材をサラッとラフに着るなんて、粋ですね。

優しく着込んで〝自分の物〟にして下さい。





今日はKさんの、次のご予約が急にキャンセルになり、

それじゃあ!と、昼間っからアイラモルトを愉しまれているうちに、

持って帰るのが邪魔臭くなってこられて、着て帰られることになりました。(笑)



そのKさんが着てこられたコートは、

パッと見は、普通のツイード使いのコートなのですが、

実は2年前にオーダーされた、中綿にシンサレートを使った優れもの

少し着込まれた感がでてきて、いい感じでした。

帰られる間際に、もう1枚写真を撮らせて頂きました。Kさん、いつもありがとうございます。





そう言えば、今シーズンは、

この裏地を使ったコートを宣伝するのを忘れてました。(汗)

ツイードは風を通すのですが、裏地をハイテク素材でキルティング加工する事で、

ファッション性と機能性を合わせ持つことができます。






Kさんは青色が大好きです。

先染めのBlueとDarkNavyの糸で織り上げた

艶やかな2ボタンのスーツは、バジーレのSuper150’S素材。




このスーツだけでは、仕事のシーンをカバーできないとの事で、

もう1着、かなり仕事モードが入ったイタリアンクラシックな3ボタンの段返りスタイルを、

何度かご紹介させて頂いた事があります、サヴィルローヤーンカウントで。



こちらは、色といいスタイルといい、

かなり、コンサバな1着に仕上がりましたね。

もちろん生地の雰囲気に合わせてスタイルも変えました。





Kさんは、いつもこんな感じで、OnとOffのバランスを考えてご注文されます。

どちらのスーツも、いつもの完成されたスタイルという事もあり、

明日到着のハンガー便で発送させて頂きました。

Kさん、いつもありがとうございます。






今から20年ほど前、大学の入学式用のスーツで、

東京G座の某有名テーラーで初めてフルオーダーを経験しました。

当時はアルマーニ全盛時代で、プレタなんて到底着ることのできない体型の僕は、

『自分の体型で着る事のできないスタイルこそ、オーダーで作る!』なんて意気込んでました。



今から思えば、アルマーニを作るのに、何で銀座の某テーラーやねん!って感じです。

その頃の僕は、「オーダーなんだから、何でもできる。それこそ、

G座のテーラーに頼まないと、そんなレベルのモノは出来ない!」とすら。



最初の仮縫いが上がって試着して、目を疑いました。

出来上がったのは、横山やすし風のタイトな上着&パンタロン!

その後、4度に渡る仮縫いを経て、中縫いで最終確認し、出来上がった洋服は、、

パンツはアルマーニとは程遠く、何とかセミフレアーまで挽回出来たのが限界だったようです。



話はそれて、アルマーニ全盛の当時、

僕の友人なんて、ピカデリーのスキニーデニムを、

トニーラマのウエスタンブーツにINし、素肌にアルマーニのジャケット!

当時では、「何やねん、お前その格好は!?」に感じたのですが、

今、写真を見ると、かなり格好良いんです!(笑)※画像載せてもええか?なぁ、シゲ!(笑)

時代でしたね、、今ではクラシックを着てらっしゃる方も、

当時はアルマーニを好まれた方も多いんじゃないかなと思うのですが。。



G座のテーラーに頼む僕も物知らずな馬鹿ですが、

それを無責任に受けるテーラーもテーラーだと思いませんか?

まぁ、人のせいにせず、自分の経験の低さやレベルの低さを嘆くべきですね。(汗)



画像は、浪人時代(’87年だったかな?)に仕立ててもらったリングジャケットの紺ブレです。

このジャケットも、ビッグショルダーに重心の低い〝アルマーニ風〟です。

浪人時代に、そんな事、してるな!って感じですね。(汗)





手八刺し、本襟、手星に手穴かがりと、フルハンドメードに近いレベルの仕立てです。

当時は渋カジ?キレカジ(綺麗い目カジュアル)ブームでした。








今日はナチュラルクリーンの中田代表がお越し下さいました。

色々な話題の中で、先日のダイアリーに補足?訂正すべき点がある事に気付きました。



> 今までだと、キューティクルが痛んで縮みが起きやすかったからだそうですが、

> より水が進化したことでネットに入れなくても、

> ポケットなどに躾をかける程度で、そのまま洗えるようになったとか。



については、生地の型崩れや縮みに対して言えることであって、

縫製に対してですと、イタリア製の、縫いの甘い高級手縫いスーツなんかは、

あちこち糸が解けまくって大変な事になるので、今でもネットで固定して洗っているそうです。



今日も洋服のケア(クリーニング)のこと、

仕事への取り組み方や姿勢の話など、多岐にわたるお話、

楽しく過ごさせて頂くことができました、いつもありがとうございます!!






奈良のHさんからお預かりしたフルオーダーのジャケットは、

肩が合ってなくて、着ていて疲れるので、何とかしてもらえないかとのご依頼でした。


袖を外し、肩パッドを極薄タイプに交換し、

その分だけ肩先が下がってしまうので、肩傾斜も下げました。

もともと若干怒り肩気味のHさんにとっては、良い感じのショルダーラインです。

肩巾も、マッセアトゥーラで作らせて頂いてるジャケットと同じサイズになるように削り(4cm)、

アームホールとの寸法を合わせる為に袖山で調整させて頂きました。






着用感が、かなり軽くなったとHさんには喜んで頂けたのですが、

その理由は、肩パッドを薄くしたばかりか、肩線の削り方と袖付けに秘密があります(笑。





これが、取り出した〝具〟です(笑。





今回のご依頼で思いついたのですが、

Hさんのように、着用感の悪いジャケットがありましたら、

マッセアトゥーラ流に限りますが、『軽さ改造計画』を実施させて頂きますので、

どうぞお気軽にお問い合わせ下さい、お待ちしておりまーす!!

軽さ改造計画を『着心地チューンナップ』と名付け、
こんな機会を頂けたことに感謝です!

ありがとうございました!






今回のWさんのジャケットは、

Wさんのお好みの中からお選び頂いたのではなく、

ご準備させて頂ける生地の中で、Wさんに最も映える生地を優先しました。



お顔の横にあてさせて頂きながら、奥様とご一緒に、「あーでもない、こーでもない、、」と。

そして少しづつ絞りこんで、最後に残ったのがこの生地です。





特徴のある色ですが、Wさんが着られると華やかに、それでいてシックリ落ち着きます。

こういった基準で生地を選ぶのも、僕は〝アリ〟だと思っています。

着続けていくにつれ、きっと選んで良かったと、

ご実感頂けるに違いありません。

周りの方からの声が、そう実感させてくれるはずですから。