着て、完成させる服。

4年ほど前に手に入れて以来、何度も読み返しているこの本は、
建築家が設計した24軒が紹介されています。
どの家も手を入れながら、30年前後も住まい続けられている個人住宅で、
住み手が登場し、その歴史をそれぞれに語っておられます。
どの家も目新しいデザイン性を狙ったりせず、住み手の気持ちに立った配慮がうかがえます。
そしてどの家も、住み手に愛され、手入れされ、大切に住まい継がれている家です。
そして、この本を読んでいると、
住み手が、その家を大切にする気持ちによって、
家ってこれほど素晴らしいものになるんだなって満足感が沸き立ってきます。
マッセアトゥーラも、出来たばかりの洋服より、お客様が10年間着続けて下さった、
そんな洋服を話題にされるような、服つくりをしなければって思います。
出来たばかりの洋服が完成ではなく、着手が着ることで、
その洋服は、熟成され完成するような洋服。

もちろんそればかりではなく、
必要とする方には、今を輝く〝衣装〟をお作りする事も大切です。
望まれた洋服を、洋服屋として、幅広く深く作るポテンシャルを身に付けなければ。