ラッジョのジャケットが届いて、数回着てみました。
ナポリ土着のドロ臭さと言うか、何とも言い難い独特の〝オーラ〟を感じますね。
でもなぜか、襟型は直線的なハイゴージのナポリスタイルではなくて、
フィレンツェスタイル、それも何故か、、
オールドフィオレンティーナスタイルと呼ばれるものです。


肩の仕上げも、今では唯一、
ナポリスタイルを築いたと云われるヴィンチェンツオ・アットリーニから、
ラッジョ氏だけが引き継いでいると云う、ピニニャティエッロ(pinìgnatiello)です。


マッセアトゥーラの顧客の方だけが見る事の出来る生きた化石。(笑)
画像で写してみましたが、雰囲気が伝わりません!


この胸ポケット、実はバルカでお願いしていたのですが、ご覧のとおりです。(爆)
おまけに、、数ヶ所に生地に傷が付いてしまっています。(苦笑)
裏地も、いきなり数ヶ所も糸が解けているんです。
それよりも、僕の指示した半胴より2cm(周囲だと4cm)も大きいんです。
仮縫は何だったの?(爆)
ラッジョには、ラッジョなりのスタイルがあるから、
彼にすれば、「俺のスタイルを着ろ!」って事なんでしょうね。
でもまぁ、これこそがナポリスタイル、という事にしておきましょう!(笑)


この服の本領は、これから10年後20年後でしょう、、
これから着続けていく間に、僕のスタイルに馴染んでくると思います。


この洋服がどのように自分に馴染むのか、、
手入れ次第というか、これからどんな風に着込むかで、
僕の人となりが見える洋服に変わってゆくんでしょうね、きっと。
僕の希望したジャケットに仕立て上がったかどうかは別として、味わい深い逸品です。