新聞広告でも’70年代の香りが。

昨年までラペルの細かった グッチやプラダ、ドルチェ&ガバーナも

今年はワイドラペルをリリース。

モードがお好きな方は気になるところですね。







パリのガリエラモード美術館でも

シルビーバルタンの’70年代モードの世界展 が開催されていたり、

室内装飾美術館では’70年代ポップアート展が開催されていたり。

これからのシナリオは『フランス系の発掘とイギリス系の再評価』

と言う事を耳にしますが最近のピッティーの傾向を見ても、

それが大きな流れのように感じます。

ミラノの目抜通り モンテナポレオーネにある洋品店は、

ひと言で説明すると 「紳士を 仕立てる店」でしょうか。

パイプやシガーカッター、ソムリエナイフを始め、

シェービング用品や 洋裁道具、そして持ち歩き用の裁縫道具まで。

同様の店がロンドンの ジャーミンストリートにもありますが、

やはり お洒落の基本は 身嗜みからという事ですね。

紳士への道は険しい!?

日本の男性諸氏もボタンの付け替え程度は練習しましょう♪




ウェーブカシミアのストールのオーダーを始めました。

27色からお好きな色をお選び頂き、4種類のサイズからお選び頂けます。

ご注文~お渡しまで1週間で英国よりお届け致します。

価格はお問い合わせ下さい。







ブレイシーズの追加発注をします。

英国ヘンリープール社と 『アルバートサーストン』のWネームでの別注です。

日本ではあまり見かけない白いバックスキン(鹿の裏革)と

ガット(鯨の髭を撚ったもので、テニスラケットに張るアレです)を

使った本格派をオーダーします。

さらに素材は ウールのボックスクロス(フェルト地)や

モアレのクラシックタイプを選びます。



ブレイシーズは、現代のように腰ベルトが一般的になる前の主流で、

特にクラシカルな仕様です。

またブレイシーズは肩から吊る為、腰ベルトのようにパンツがズレ落ちず、

パンツのセンタークリース(プレスライン)も綺麗に出るので、

縦線が強調されて 脚長効果も抜群です。








毎月、テーラーや生地屋が集まって情報交換会を開いています。

今日の会場はマッセアトゥーラでした。

会場は 色々なお店を見て回って環境を変えるという目的で

持ち回りで毎月変わります。



本日参加の11名の内、敦賀のテーラーヨシダの吉田さんが

「友人が焼いてるんですよ」とお土産に持ってきて下さった

『昆布さぶれ』です。

怪しさ全開のネーミングに 最初は 「不味そう(^^ゞ」って思ったのですが(笑)、

これが甘さ控えめで 昆布の風味が微かにして感動的に美味しいんです♪




クラシコイタリア協会のブースが集まる入り口です。







ここは展示会場の中でも大規模な建物のニ階にありました。

他のブースとは一線を画して高級感が漂っています。

流石はクラシコイタリアですね。

そういう目で見てるから?

(関係のない事ですが写真のドゥカティはスポンサー?)







さて 実際にブースエリアに入ると、最近やたらと目に付くビタミンカラーとまではいきませんが、

クラシコのメーカーでも明るい色、その中でも暖色系が目立ちました。

それは、挿し色としてだけではなく、最近 どんどん増えてきている

ジャケットスタイルでも目立ちます(2枚目の写真・ISAIA)。







3枚目の写真 Kitonの男性スタッフも着ているように、

ストライプスーツのヴァリエーションは既に定番化している感じですね。

また柄としてはグレンチェックなどの英国っぽい柄も定番の域です。

単純なウインドゥペンは余り見かけなくなり、

すっかり身を潜めてしまったようです。



また カシミアを始めとする獣毛系素材やソフトツイードのジャケットを

多く見かけました。

カシミアは価格が高いので 大ブレークとまでは無理にしても

高額所得者層の間では密かに流行るかもしれませんね。



デザイン的には シングル1釦や2釦のピークドラペルが目立ちました。

もちろん柄は、英国モダンカントリー調です。







スーツの中心色はミネラルグレイやブラウンが目立ちました。

バリエーションも多くて、キャメル等の明るい色からダークまで 様々でした。



シルエットに関してですが クラシコは何も変わっていませんでした。

でも それ故にクラシコなんですよね。

クラシコがコロコロ変わって モードの聖域を侵したりして(笑)。

ただ概して言うなら、クラシックは全体に細く、襟も狭目。

モードはシルエットが細く襟巾は広い目です。

コートに関しては引き続き細身のショートコートが目立ちました。



ちょっと話はそれますが クラシコイタリアは伝統的な英国服がその模範とされています。

これは アルティジャーノ(イタリア人の仕立て職人)の

古典的な英国服への深い憧憬から始まったものと言われています。

ですから、日本でモードだと思われている?クラシコイタリアも

昔から同じ血統を受け継いでいるだけで、何も変わってはいないのです。

Sジャケット3ボタンの真ん中1B掛けも袖釦の重ね付けも、

何もかもが英国への憧憬に色気を添えた イタリア男の遊び心なのです。



下3枚の画像はプレタのメーカーです。

やはり暖色系のブライトレッド ~ブラウンの傾向が見られます。

靴下の色を見ても レッドや茶、それにグラスグリーンと

まさにトレンド揃いですね。















見てきた事を書き並べましたが、参考になるでしょうか? 

色に関しては、ネクタイやポケットチーフにトレンド色を使うとか、

マフラーに使うとか、、

着こなしに新しい可能性を広げてくれるのではないでしょうか!

ピッティ・イマジネ・ウォモ

これが、今回の出張の最大の目的でした。







中部イタリアの古都、と言われるフィレンツェには

ウフィツィ美術館や ドゥウォモ、ヴェッキオ橋など歴史的建造物が集中し、

街全体が美術館と形容される程です。







ピッティ・ウォモは そのフィレンツェの中心部から少し北、

フィレンツェ鉄道駅〝サンタ・マリア・ノヴェッラ〟に近いバッソ要塞で

年に2回開催される 世界最大規模のメンズ総合服飾見本市です。

ここで世界中のアパレルとバイヤーの真剣勝負が

4日間に渡って繰り広げられます。

従ってここで打ち出されたトレンドは、

半年後には 日本にも確実に登場する事になります。







その 16世紀に建てられた 広大な五角形の建造物の中に、

800近くのブランドブースが、約30ヶ所の建物の中に点在します。

効率よく回る為に 先に展示会パンフレットで行くべきブースをチェックしました。



各ブースのディスプレイも楽しいのですが、

会場内はさながらファッションショー? 

お洒落な人を見付けたら写真を撮らせてもらったり勝手に撮ったり(笑)。

シックなスーツに挿し色として、オレンジ、赤、ピンク、グラスグリーンなどを、

巧く使った人が目立ちました。

これは明日に紹介する予定ですが、ディスプレイも同様の色が目立っていました。







またピッティでは、毎年招待デザイナーを招いて展示会を盛り上げています。

今回は、山本耀司さんが迎えられ、

開催日初日の1月12日、レオポルダ駅で ショーを開催。

同時に ピッティ宮殿内の近代美術館で、

Yohji Yamamoto』 ブランドの作品を集めた回顧展も開催されていました。







急に話は変わりますが、、

モトリーノ・デル・ベント の寺田さんが、

僕が今回の出張で 出会ったヴェスパ達を始め、

色々な写真をモトリーノのサイトで紹介して下さってます。

ナポリの目抜き通りキアイアからフィランジェリーに入って、

ロンドンハウス、フェイ(トッズのアパレル部門)のあるコーナーを越えて、

次の角を右に曲がると、突き当りに、雰囲気のある映画館(下の画像)があるのですが、

その一角に僕の大好きな、アットリーニと云うサルトリア(テーラー)があります。

世界最高クラスの軽い着心地を体感させてくれる品の良いスーツは

既製品としても、世界中に顧客を持っています。





この日は店主のクラウディオ氏がいらっしゃいました。

前回訪れた時には、縫製工場をされている弟のチェーザレ氏がいらっしゃいました。

話している中で「やっぱりナポリの服は胸で着るんだな」と感じます。



胸板が薄い日本人に、胸板の厚いイタリア人の服は似合わないと言われますが、

オーダーならそれをカバーして仕立ててもらう事も可能かなと思うのですが、

作り慣れてさえいないから、無理なのでしょうか?



それよりも、僕もイタリア人みたいに胸の筋肉を鍛えた方が、、

それも無理か、、ラテン民族とは土台、骨格が違いますものね。(苦笑)





帰りにロンドンハウスのオーナー、ルビナッチ氏に初めて会ったので、

写真を撮らせてもらいました。

ルビナッチとアットリーニ、両氏のお父さんが

今のナポリのクラシックスタイルを確立したと言われています。



最後に本題からはズレますが、、

どちらのお店でも、やはりモダン英国調のジャケット地が目に付きました。








今日は凄い生地で、
レディースコートの ご注文を頂きました。
英国最高峰のカシミアと言われるウールエキスポの生地です。
それも ビキューナの入ったビキャッシュ!
安い生地で先に仮縫しないと、間違ったら大変です。
価格もですが ワシントン条約で規制のかかった貴重な生地ですから。



明日は朝から勉強会の為、開店は 16時からとさせて頂きます。

頑張ってきます!

英国靴のクラシックとモダン(モード)。

上の靴はパリで見つけたチャーチの73ラストのBuckです。

鹿の革を使った、正真正銘の 『バック』 スキンです。

20年前に買った(覚えてる笑)、全く同じ靴を持っていますが、

もう1足買ってしまいました。

このボテッとしたドン臭くて男臭い?シルエットが好きなんですよね♪







下の靴は同じ英国製ですが、フランスのクロケット&ジョーンズにいる

唯一人のビスポーク職人・ゴメス氏が

ある顧客の要望によって仕立てた靴のラスト(木型)をベースにして、

英国の C&Jが量産用に新しく開発した 337ラストを使って、

ジェント京都が別注した紺色の靴です。

236や317といったクラシックなラストに比べるとロングノーズで

スタイリッシュな印象を受けます。

ちなみにクロケットのビスポークはパリだけで本国英国では受け付けていません。







ただ、パリC&Jの店員さんも言ってましたが、

頑なに クラシックを選ばれる方も多いけれど、

彼はその時に着る服に、そしてTPO(死語?)に応じて履き分けているそうです。

僕も、Church’s に関しては 履きなれた73ラストにこだわってしまいますからね。



伝統とモーダ。

同じ英国靴でも、フランス人が意識すると、

これだけスタイルが変わるんですね。