上の画像は 今年人気のベルベット素材です。

これは 独のニーディック社のコットン93%&カシミヤ7%の混紡ですが、

他にも レーヨン100% とかコットン&モダール

(キュプラのような物)の混紡コットン100%など色々ありますから、

作りたいジャケットの雰囲気によって選んで頂けます。



実は僕も2年前に作ったスーツがあるのですが、結構重宝します。

白シャツ&古着っぽいジーンズに、ジャケットだけ合わせたりすると、

すっごく粋に決まったりします。



そんな時には靴も思いっきり上品に、エナメルの靴なんてどうですか?







この黒エナメルの 艶っぽい靴は 3年ほど前、自分用にと

ロンドンのクロケット&ジョーンズで購入した物です。

でも、ジーンズには 紺色エナメルのローファーの方が 似合うんですよねー。

スウェード素材を合わせそうな組み合わせですが、

僕なら迷わずエナメルです!

上の画像は今日お創り頂いた 英国トーマスメイソン社(右)のヴィンテージ生地と、

伊アルビニ社(左)の生地です。







トーマスメイソン社は、’90年代の初めにアルビニ社に買収され、

今の生地は イタリアっぽく繊細な質感になっていますが、

この生地は 買収前に英国で織られたもので、

低速織機でしっかり打ち込まれた張りのある生地感です。

水洗いしてゆくにつれて段々と目が詰まり、光沢が増します。



その歴史が 産業革命時代に遡るトーマスメイソン社のこんな希少な生地は、

その寿命を縮めないためにもクリーニングには出さずに家で水洗いをして下さい。



下の画像もヴィンテージ生地ですが、残すところ20着程になってきました。




以前 創って頂いたスーツと同じ生地で、スタイルを変えて

スペアパンツを作って欲しいとTさんから連絡を頂きました。

この時の注意点があります。



同じ品番の生地でも、染める時の釜が違う (ロット違い) と

微妙に色が違ってくる可能性があります。

例え同じロットが残っていたとしても、以前のスーツが、

クリーニングや日焼けによる色褪せについても考慮しておかなければなりません。

そういった意味だけで考えると 「最初から2パンツ」というのがお勧めです。




ウエスト詰め&出しのお直しが、3本出来上がってきました。

3cm以内の出し入れだと、後ろの縫い線だけで処理しますが、

それ以上だと 左右の横の縫い線でも 分配・調整します。

そうしないと全体のシルエットが崩れて ピスポケット(お尻のポケット)が

寄ったり離れたりと見た目にも悪くなります。

たまに極端に詰めてピスポケットが接近している物を見かけますが 不細工です。



この三方直しは、お金と時間 (職人さんの手間も)は掛かりますが、

せっかくの大切なスーツのシルエットを少しでも崩さないためにはお勧めです。

こんなウエスト修理でも お店側に任せず、きっちりと相談の上で決めて下さいね。